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山に生えるキュウリグサのなかま
ミズタビラコ

ムラサキ科
Trigonotis
 brevipes
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 ムラサキ科キュウリグサ属の多年草。本州、四国、九州に分布。山地の水辺に生える。「水田平子」のタビラコとは、キュウリグサの別名で、つまり水辺に生えるキュウリグサの意味。一方、本来のタビラコとはキク科のコオニタビラコのことで、それを間違ってキュウリグサの別名にしてしまったという説もあるそうだ。
 高さ10〜30センチ。葉は表面に毛がある楕円形〜卵形で互生する。5〜6月に枝先に花序を出し、淡青紫色〜白色で直径約3ミリの花を次々に開花させる。花序はキュウリグサと同様に先がくるっと巻いて、まるでサソリの尾のような形をしている(サソリ型花序)。

 昨年(2015年)、福井県大野市の平家平で、本種らしき花を見かけた。しかし季節は秋で付近のブナはすでに色づいていた。だから別種だろうとも思ったが、似たなかまの中で秋に咲くものは知らない。帰宅後、写真を拡大して細かい部分を確認したが、やはり本種のようにしか見えなかった。なんらかの原因で秋に狂い咲きしてしまったのだろう。東北地方〜近畿地方の日本海側には、変種のコシジタビラコ( var. coronata )が分布するが、花期は本種と同時期で、コシジタビラコの特徴も見受けられないので、やはり本種と同定せざるを得なかった。

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登山道沿いに群生するミズタビラコ。島根県邑南町・岩見冠山にて



島根県掛合町の八重滝遊歩道沿いに咲いていたミズタビラコ。

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キュウリグサと同様にサソリ型花序に付く淡青紫色の花が清楚な印象。岩見冠山(左)。黄葉したブナに覆われた平家平で見かけた季節外れに開花したミズタビラコ(?)。果実の形状からコシジタビラコではなく、やはりミズタビラコと思われる(右)。


  
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