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動物のキリンとの関係は?
キリンソウ

ベンケイソウ科

Sedum kamtschaticum

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 図鑑には、「黄色い花が輪状に咲くので黄輪草」とよく書かれているが、中国の伝説上の動物「麒麟」に由来するという説もある。どちらにしても動物園にいるキリンとは無関係。ベンケイソウ科キリンソウ属の多年草で、山地の草原や林縁などに生える。北海道から九州まで分布。5〜8月に鮮黄色の5弁花を茎頂に多数つける。
 先日(2010年7月)、佐渡島を訪問すると本種をよく見かけた。下の写真は、いづれも佐渡島で撮影したものだが、右写真の株は、左写真の群生や私が過去に見たキリンソウとは様子が異なる。その草姿は、高山帯に生えるイワベンケイやホソバイワベンケイを彷彿とさせる。実はこれ、佐渡島の中央部、標高約800mのドンデン高原に生えていたもの。一瞬、「あれ?」と思った。だが、葉の形態などをよく見ると、やはりキリンソウのようだ。念のため佐渡博物館で購入した『佐渡の植物』(新津植物資料室)も開いて確認してみたが、ほかにそれらしい種類は見あたらなかった。
 生育地は、放牧場と道路に挟まれた砂礫地で、乾燥しやすいのだろう。もともとベンケイソウ科の植物は、葉が肉質のものが多いが、キリンソウの葉はそれほど厚くない。それでも乾燥に適応して林縁のものと比べると、明らかに葉が厚くなっていた。また高地の放牧地は風衝草原となり、その周辺の植物にも負荷をかける。高山帯のなかまと同じような姿になったのは、そういう理由があるのだろう。


大佐渡スカイライン沿いの林縁に群生していたキリンソウ。この道路沿いには、まるで雑草のようにたくさん生えていた

ドンデン高原の砂礫地に生えていたキリンソウ。まるでイワベンケイのように見える


葉の上半分には鈍鋸歯がある

  
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Nature

一種一種、植物を取り上げて、その植物にまつわる話題を写真とともに紹介します。

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植物記