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毒を持てば喰われないはずなのに
植物雑話5
なぜ植物はすべて有毒にならなかったのか?


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 植物には山菜や野菜、果物など、人間や動物にとって有益な食べものになるものがあるかと思えば、一方トリカブトのように毒をもつ植物もある。有毒植物は虫に食われにくいなど、植物自身にとって利点がある。ならば、なぜ植物はすべて有毒植物に進化しなかったのだろうか。
 もしすべて植物が有毒になったと仮定すると当然植物を食べることで生きていく動物は減る。しかし、それは植物にとっても自分の首を絞めるようなものなのだ。つまり植物は花粉を昆虫に媒介してもらったり、果実を動物に食べてもらって種子をより遠くに広げたり、動物なしでは生きていけないからだ。すべての植物が有毒植物への道を選ばなかったのは、そんな理由があると考えられている。


  
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Nature
植物記