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雲切草、雲霧草、雲散草…
クモキリソウ

ラン科
Liparis 
kumokii
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 ラン科クモキリソウ属の多年草で、日本全国の山地林内に生える。草の色に溶け込む淡緑色の花は、うっかりすると見落としそうだが、よく観察するとおもしろい形をしており、虫のようにも見える。名前は「雲切草」で、「雲霧草」や「雲散草」の漢字をあてることもあるようだ。
 葉は2個で、縁は細かく波打ち、花茎は高さ10〜20センチ。花は普通、淡緑色だが、淡暗紫色のものもあるらしい。
 写真は、愛知県豊根村の山林内で撮影したクモキリソウで、周辺にはやたら多かった。また以前、長野県内の湿原を訪れたところ、湿原周囲を巡る遊歩道沿いにもたくさん生えていた。この湿原はミズバショウで知られる湿原だが、クモキリソウが咲く頃には訪問者はほとんどおらず、遊歩道は少し草がうるさかった。しかし、ひっそりと咲くクモキリソウが迎えてくれて、無駄足にならずにすんだ。



クモキリソウ。花は地味だが、おもしろい形をしている



  
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Nature
植物記