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雪割草とは、雪解けとともに咲くことに由来
ユキワリソウ

サクラソウ科
Primula modesta

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 北海道〜九州の山地〜亜高山帯に分布するサクラソウ科サクラソウ属の多年草。名前は「雪割草」で、雪解けとともに咲くことに因む名前だが、場所によっては6〜7月に雪が完全に融けてから咲く場合も多い。花は紅紫色〜淡紅紫色で、径7〜10ミリほど。また葉の裏には淡黄色の粉があって、黄色をしているのが特徴だ。山岳地に咲くサクラソウのなかまの中では、比較的目にする機会の多い種類といえるかもしれない。

 先月(2009年6月)、浅間連峰の黒斑山で、久しぶりにユキワリソウに遭遇。あとで調べると登山ガイドブックの中には、写真付きで紹介しているものもあったが、私はそれを知らず別の花を目的に登ったので、遭遇したのは単なる偶然だった。風景写真も花の写真も撮り尽くして、あとは下山するだけという、その途中に斜面を覆うように咲くユキワリソウに出会ったのだが、まさに山から今日最後のプレゼントをもらったような気分だった。半日動き回って疲れていたが、それも忘れて、しばらく撮影にいそしんだ。



黒斑山の斜面に咲くユキワリソウ。花は小さいものの、やはりサクラソウのなかまには、華やかさがある



岩壁に群れ咲くユキワリソウ。



黒斑山のユキワリソウ(左)と庚申山のユキワリソウ(上)。花冠の中心は白色、さらにその内側は黄色をしている。
  
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植物記