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樹氷の正体はこの木
オオシラビソ

マツ科
Abies mariesii
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 本州中部地方以北の亜高山帯に分布するマツ科モミ属の常緑高木。別名アオモリトドマツといい、東北地方では、こちらの名称で呼ばれることが多い。青森県の木に選ばれていそうだが、残念ながら青森県の木はヒバ(ヒノキアスナロ)である。
 信州では、シラビソと混生することが多いが、東北地方でシラビソが分布するのは福島県だけなので、八幡平や蔵王などではオオシラビソが優占する森が形成される。厳冬期、これらの山々で樹氷を作る木でもある。
 樹冠は、円錐形で、多雪地では下部の枝が大きく垂れ下がる。雌雄同株。6月頃に花をつけ、毬果は長さ約10センチの濃青紫色をした楕円形。数年周期で、毬果がよく付く年があり、北アルプスでは今年(2009年)が、それに当たったようだ。

 シラビソとの区別は、葉の付き具合を見ろ、とよくいわれる。枝を上から見た時に枝が見えるのがシラビソ、見えないのがオオシラビソというわけ。ほかに毬果や樹皮にも違いがあるが、慣れないと区別するのは難しいかもしれない。



毬果をたわわに付けたオオシラビソ。北アルプス・栂池自然園にて



  
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植物記