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「屁糞」とはお気の毒な名前…
ヘクソカズラ

アカネ科
Paederia scandens
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 ヘクソカズラとは「屁糞蔓」と書き、悪臭があることに由来。一体どれほどの悪臭かと近づいてみると、意外なことに臭いはない。もんだり、つぶしたりすると臭うだけなのだ。
 8〜9月に長さ約1センチの白い鐘型の花をつけるが、花冠の内部は赤紫色をしていて、白と赤のツートーンカラーの花がつるに点々と咲く姿は、なかなか愛らしい。それだけにこのひどい名前はもう少し何とかならなかったのかと思う。植物和名は、そのセンスに感心することも多いのだが、ヘクソカズラやクソニンジンなど、再考してほしい植物の名前はいくつかある。
 果実は径5ミリほどの核果で、黄褐色に熟す。昔は果実を薬用にしたこともあったようだ。

 アカネ科ヘクソカズラ属のつる性多年草で、日本全国に分布。日当たりのよい草地などに生える。

以下記事NEW
 ところで我が家にも以前から生えていることを知っていたが、今日、ヤマノイモのむかごを採取した際に、そのヤマノイモと絡み合うようにいつの間にかヘクソカズラが生長して、たくさんの花を咲かせていた。以前、敷地内の別の場所に生えていたものよりも立派だったので、撮影してみた。




栃木県・渡瀬遊水池で見かけたヘクソカズラ。名前に反して愛らしい花である。


以下写真3点NEW

知らないうちに我が家の菜園に咲いていたヘクソカズラ。広島市



花のアップ。逆「の」の字状のものは、花柱。花冠内部はおびただしい白毛に覆われている



花冠をそっとハサミで切断してみた。内面は赤紫色で、ひょろひょろと2本のびているものは花柱。真ん中にある短い部分が葯。一番右側にあるのは切断したときに切れてしまった花柱の一部。



  
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