Nature

一種一種、植物を取り上げて、その植物にまつわる話題を写真とともに紹介します。

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植物記
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白い綿毛が印象的
ワタスゲとサギスゲ

カヤツリグサ科
Eriophorum vaginatum
Eriophorum gracile
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 山の湿原に生えるワタスゲは、地味な種類が多いカヤツリグサ科のなかでもダントツで人気がある種類。5月ころに咲く花は地味だが、花後、多数の冠毛(花被片)が少しずつ成長し、6〜7月になると真っ白いまん丸いまとまりになる。特に群生すれば、メルヘンチックな光景を楽しめ、多くの人から注目を浴びることに。やがて冠毛付きの果実はひとつひとつ風に吹かれて飛んでいくが、中には湿原に生えるモウセンゴケの粘液に捕まってしまったうっかり者もいたりする。北海道には株状にならない変種のエゾワタスゲがある。

 一方、よく似たなかまにサギスゲがある。同じように湿原や湿地などに生え、ワタスゲの果穂がボンボン状なら、サギスゲの果穂はほうき状。茎の先に数個の果穂がつく。ワタスゲに比べて標高が低い場所に生えるので、山で見かける機会は意外と少ない。また群生していてもワタスゲほどの華やかさはない。



湿原を覆うワタスゲの白い果穂。6月下旬。福島県・駒止湿原



冠毛が開いたワタスゲ果穂。長野県山ノ内町・志賀高原。雨に濡れると、水を吸って萎むが、一度乾いたあとに手で軽くもむと、簡単に冠毛が開いて元に戻る。



果実とは想像も付かないワタスゲの花。5月下旬。群馬県片品村・尾瀬ヶ原。


 
ワタスゲの冠毛(左)。冠毛を取り外したワタスゲの果実(痩果)(右)。



秋田県由利本荘市・桑ノ木台湿原に群生するサギスゲ。奥はワタスゲの群生。



冠毛が開いたサギスゲの果穂。新潟県妙高市・沼の原湿原。



サギスゲの果穂。小穂は数個付く。北海道鶴居村・釧路湿原。


  
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