<<前のページ | 次のページ>>
多摩丘陵の林床にひっそりと花をつける
タマノカンアオイ

ウマノスズクサ科
Aristolochia tamaense
…………………………………………………………………………………………………

 関東地方南西部の丘陵に自生するカンアオイのなかま。4月、新緑の雑木林。その林床に光沢のある青々とした葉を広げている。そっと落ち葉を分けてみると、赤紫色の花が顔を出す。花には、キノコバエなどの昆虫が訪れるようだが、その姿はずいぶん個性的だ。どこか、熱帯雨林に咲くラフレシアを連想させる。

 もう随分昔のことだが、ある植物の先生と、のどかな風景が広がる八王子郊外をタマノカンアオイ求めて歩いたことがある。雑木林の中に入ってみると、すぐに見つけることができた。先生と歩いた一帯は、その後開発が進み、もう当時の風景はほとんど残ってはいない。しかし八王子や横浜などに残された丘陵地帯に行けば、まだ比較的容易に見つけることができると思う。花は落ち葉に隠れていることもあるので、この葉を目印に探そう。




横浜市青葉区の雑木林に咲くタマノカンアオイ



  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記