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湿原に咲く黄色いブラシ
ヤナギトラノオ

サクラソウ科
Lysimachia thyrsiflora
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 6〜7月頃、葉の腋から円筒状の花序を出し、深く6裂する黄色の花を多数つける。まるで黄色いブラシのような形が特徴だ。名前は「柳虎の尾」で、葉が柳のそれに似ており、花をトラの尾に見立てたもの。山地の湿原や湿地に生え、尾瀬などでもよく見かける。今年初夏に訪れた北陸地方のある湿原には多かった。分布は北海道と本州中部地方以北。
 こう見えても実はサクラソウ科。だが、オカトラノオ属といえば、ちょっとは納得できるかも。紛らわしい種類はないので、黄色いブラシさえ確認できれば、すぐに本種と断定できる。

 ところで花は葉の腋に2つずつ互い違いに付くので意外とアップで撮影しにくい植物。花の数をなるべく画面の中に入れようとカメラを引くと図鑑的な写真になってしまうし(それも撮影の仕方のひとつなのだが)、しかも木道の上から撮る時は、カメラの位置を低くしなければならないので、見かけてもあまり積極的に撮る気にならない。




釧路湿原に咲くヤナギトラノオ



細かな毛のように見えるのは、長い雄しべ。1個の花には6本の雄しべがある。同じく釧路湿原。



  
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