黒というより紫褐色…
クロバナロウゲ
バラ科
Potentilla palustris
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「黒花狼牙」と書くと何のことかわからないが、実は湿原に生えるバラ科多年草の名前。実際に花を見ると、黒というよりも赤っぽい紫褐色のような色あい。ただこの写真よりも色が濃くて暗色気味の個体も多い。気になる「狼牙」の由来だが、ミツモトソウを指す漢名ともいわれている。つまりミツモトソウに似て黒っぽい花を咲かせることから命名されたのだろう。
本種は、本州中部地方以北と北海道の亜高山帯の湿原や湿地に生えるが、比較的容易に見つけられるのが尾瀬ヶ原。7月に一巡すれば必ずといっていいほど見かける。ただ花は径約2センチと小さくはないが、何しろ地味な色だけに注意していないと見落とす可能性もある。
なおバラ科キジムシロ属とする図鑑が多いが、クロバナロウゲ属に分ける見解もある。
先が尖って花弁のように見えるのは実は萼片。花弁は萼片と同じ色をしているが、萼片に比べてかなり小さい。萼片の間にあるのがそれ。緑色をした萼片のように見えるのは副萼片だ。上・下とも群馬県片品村・尾瀬ヶ原。
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