Nature

私のこれまでの編集体験で感じたことなどを好き勝手に書いたものです。

植物記
<<前のページ | 次のページ>>
編集という仕事はとにかく忙しい


 編集という仕事は残業なくしては成立しない仕事である。とにかく忙しい。私がかつて編集者として出版社に勤務した6年間も、残業に残業の繰り返しだった。ほぼ毎日終電かそれに近い時間に帰っていたし、かなり頻繁にタクシー帰りもあった。たぶんこの6年間に9時より早く帰ったのは数えるくらいだろう。それほど忙しく、かつ時間に追われていた。最もすごい時には毎日深夜2〜3時、時に4時に会社を出てタクシーで帰っていた時期もあった。当然、翌朝は定刻9時に出社。それがしばらく続いて、さすがに限界を感じた。朝になっても体がいうことをきかない状態で、あとにも先にも短期間にこれほどの労働をしたのはこれっきり。二度と経験したくない思い出だ。
 フリーになった現在、多くの出版社とのつきあいがあるが、どこの出版社でもやはり編集者は多忙そうだ。仕事の電話が夜遅くにかかってくることもあるが、こちらもその時間に仕事していることが多い。それに私も同じ境遇にいたから、その忙しさはよくわかる。出版業界の夜は長いのだ。
 現在は、編集の仕事をしているわけではないが、それでも時期によってかなり多忙となる。私の場合は、特に冬場が忙しい。そのためフリーになって以降、年末年始は必ず原稿書きなどの仕事漬けとなり、休んだことは一度もない。日本全国ほとんどの人がのんびりしている中、仕事するのは悲しいが、しかしその一方で出版社が休みの間に抱えている仕事を大幅に処理できる貴重な時間でもある。電話もかかってこないし、結構仕事に集中できるので効率がいい。逆に仕事と仕事の合間がぽっかり空くこともある。そんなときは、しばらくのんびりしている。私の仕事は1年間が1週間のようなもの。それが、いいか悪いかはともかくとして。
 

<<前のページ | 次のページ>>