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日本の代表的なクワガタムシ
ミヤマクワガタ

Lucanus maculifemoratus
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 私は、子供の頃もアウトドア大好き。昆虫採集が好きだったし、特にカブトムシやクワガタムシを近所の雑木林で捕獲して家で飼育するのが夏休みにすることの定番だった。そして学校に持って行って、どんなカブトムシやクワガタムシを飼育しているか、友人たちと自慢しあったものである。

 当時、近所の雑木林で捕獲できたのは、主にカブトムシのメスとノコギリクワガタだった。カブトムシのメスは、実家にもよく飛来していたが、なぜかお目当てのオスは少なかった。そんな状況だったので、ミヤマクワガタは珍しく、しかも頭部に厳つい突起があってカッコいいので垂涎の的。滅多に捕獲できず、ミヤマクワガタを捕まえたクラスメイトをうらやましく思ったものだ。

 大人になって登山の最中にカブトムシやノコギリクワガタと出会ったことは一度もないが、ミヤマクワガタには何度も遭遇している。これは、低地に多いノコギリクワガタに対して、名前の通り標高の高い山地に生息することが一番の理由だろう。

 先日も谷川連峰・三国山からの下山途中、頭上の枝から目の前にポトリと何かが落ちてきた。なんだろうと思って地面を見ると、ミヤマクワガタのオスとメスが裏返しになって脚をバタバタさせていた。まるで私がやってきたのに合わせて、自分たちの存在を示そうと落ちてきたかのような、あまりに絶妙すぎるタイミング。あー、きっと写真を撮ってほしかったんだな、と勝手に解釈(笑)。拾い上げて付近の木の幹にとまらせて、しばし予定外の撮影タイムとなった。




緩く湾曲した立派な大アゴ、頭部左右に張り出す耳状突起。ミヤマクワガタは、いかにも「これぞクワガタムシ」みたいな姿をしている。群馬県みなかみ町・谷川連峰 三国山登山道で。



頭部の拡大。体表面には淡褐色の微毛が生えているのがわかる。


 
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動物記