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時々、登山道上で見かけるが…?
ヒミズの死骸

Urotrichus talpoides
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 ヒミズというのは、モグラ科ヒミズ属の哺乳動物。日本固有で、一見するとモグラに似ており、確かにモグラと同様に地下に棲息するところは同じだか、モグラよりも地表近くで活動し、土を掘る前脚も体長もモグラより小さい…等の違いがある。

 そんなヒミズの死骸が、登山道上にころがっていることが、時々ある。私自身の経験からいうと、モグラやネズミと比べてもヒミズの方が圧倒的に多いような気がする。土の中から地表に現れたところを別の野生動物に襲われた…と思えなくもないが、ほとんどの場合、死体にその痕跡はない。ヒミズの死骸は臭いがきつく、ほかの動物が食べることは少ないそうなので、寿命か病気で死んでもしばらくそのまま残ることが多く、それだけ人間の目に触れやすいのかもしれない。

 ヒミズは、かわいそうなことに死骸として見るばかり。夜行性なので当然といえば当然だが、活動しているところを見たことは一度もない。しかもモグラと比べて、一般の認知度も極めて低い。

 

岐阜県高山市・位山登山道上で死んでいたヒミズ。



 
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