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西日本の山に生息する青いミミズ
シーボルトミミズ

Pheretima sieboldi
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 フトミミズ科フトミミズ属に属する環形動物。西日本の山地に生息する青いミミズで、体長25〜40センチにもなる大型の日本固有種。地表によく出てきて、地表面での移動は結構早い。また木の枝で拾い上げようとしたりすると、瞬時に反応して身体を激しくくねらせて逃れようとする。

 名前はいうまでもなく幕末に来日したドイツ人医師で博物学者としても著名なシーボルトに由来。産卵翌年の初夏に孵化し、その年の冬から翌春にかけて尾根から谷へと集まる習性があるそうだ。Wikipediaによると「同一地域ではこれが全ての個体で同期しており、その地域の個体は全て同じ世代に属する」という。つまり、地域に本種が一個体も見られない時期があるらしい。
 大きくて色も目立つため、各地に地方名があり、例えば四国ではカンタロウと呼ばれているとか。

 本種は広島県の山でも見かけたことがあるが、昨年(2014年)秋、宮崎県の山で登山中に何度も出会った。太陽光線を受けて輝く濃青色の体色が、なんとも美しかった。


 


宮崎県の山で見かけたシーボルトミミズ。ミミズとは思えない濃青色の体色が特徴。


太陽光線を受けて輝く体表面。マクロレンズで接写したが、動きが結構早くて撮影しにくかった。



 
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