Nature
動物記
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多くの哺乳類の眼球にある光を反射する膜
タペータム
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 夜、山間部の道路を車で走ると、よく動物と出会う。最も遭遇頻度が高いのはネコだが、シカなどの野生動物と遭遇することも多い。彼らが、驚いて車の方を振り向くと、ヘッドライトに照らされて目が光っている。これは、眼球の網膜後部にあるタペータムと呼ばれる膜に光が反射されたもので、当然のことながら目が発光しているわけではない。多くの哺乳類に見られ、動物の種類によって、その構造は異なるようだが、いずれも夜間、目に入ってくる光が微弱なときに効率的に視物質に吸収させて、目の感度を向上させるのに役立っているという。
 下の写真は、昨年(2008年)秋、長野県の入笠山で撮影したシカ。すっかり夜の帳が降りた林道を山麓に向けて下っていると、何度となくシカに遭遇。ほとんどのシカは、すぐに逃げたが、この2頭だけは、しばらくじっとしていたので、そっと側に停車し車の窓を開けて撮影した。ストロボの光が、シカのタペータムに反射して、きれいに光っていた。



カメラのストロボ光を反射させてシカの両目が白く光る。それにしてもシカの多さは、気になった…



 
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