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塗料の臭いが気になるらしい
壊した犯人はだれ?

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 たまに山で壊れた道標を見かけることがある。雪が原因であることも多いようだが、どうもそればかりではないようだ。
 以前、東北地方の山中にある巨樹を訪ねたところ、分岐の道標は支柱が折れ、指示板は失われていた。その三叉路に道標がないと、どちらに行けばいいのかわからない。推測で一方の小径をたどったところ、じきに目的の巨樹が現れたからよかったのだが、こんなことでは迷う人もあろう。下山してから道標が壊れていた旨、地元役場に電話をすると「あの道標は何度作り直しても、クマに壊されるんです」と担当者。
 そんなことがあったので調べてみると、どうもクマは塗料の臭いが好きらしくて、ペンキを塗ったものをかじることがあるという。ペンキを塗った道標すべてが壊されているわけではないから個体差もあるのだろうが、同様に頻繁に壊されるようなことがあればペンキを塗らない方法で道標を作れば解決するかもしれない。
 下の写真は、長野県・志賀高原で撮影した橋の欄干。この橋の場合は、どういう理由で壊れたのかは不明だが、ペンキが塗ってあったし、爪跡のようにも見えるキズ跡もあったので、クマの仕業である可能性は充分考えられる。
 



爪跡らしきキズもあったので、クマの仕業かも。



 
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