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刺すだけに夏の山では注意したい
アブ

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 アブといえば山にいる吸血性の昆虫。山や高原を歩くとき刺すので注意が必要な上に、まとわりついてくるのでうっとうしい存在だ。すぐには刺さないが注意していないと刺される。刺されると傷みがあり、出血をともなうこともある。翌日くらいから激しい痒みにみまわれ、しばらく痒みが続く。
 私の印象では北海道や東北の山間部に多いように思う。以前、東北地方の林道に入ったときのことだ。林道終点で車を停めて外に出たところ、ほんの数分ほどして、すごい数のアブが車に群がった。動物の体熱を感知する性質があるらしく、車の熱に反応して集まったようだ。車の熱の方が私よりも高いせいか、私の方にはあまり寄ってこなかったので助かったが、そうでなかったらえらいことになったかもしれない。あまりの多さにしばらく唖然としたが、手で払いのけて急いで乗車し、その場を離れた。乗り込むときに何匹か車内に入り込んでしまったが、林道を少し下ってから窓を開けて車外に出して、ようやく一件落着。

 アブが寄ってくるとタオルなどを振り回して防戦するので、刺された経験は少ないが、北海道のニセコ高原では刺されたのに気づかなかったこともある。その日、快晴の天気で気温がどんどん上昇。アップダウンが繰り返されるコースで、汗をしこたま搾り取られる。体力も消耗し、なんとか歩き通したが、その途中アブに手を刺されたらしい。「らしい」というのは刺された瞬間を確認していないからだ。あまりの暑さに疲労困憊していたせいか刺された時に全然気づかなかったのだ。しばらくして、ふと手を見ると血がたらーっと流れてもう半乾きになっている。ケガしたわけではなく、のちに痒みが出たからアブの仕業に間違いないだろうが、こんなこともあるのだ。

 また東北地方の山間部にある温泉で、露天風呂に入ったときのこと。洗い場も外にある造りになっていたが、そこで身体を洗っていると背中に傷みが。すぐにアブとわかったのでタオルではらいのけた。毒液を注入される前だったので痒みは出なかったが、夏場、山間部にある露天風呂に入るときは注意した方がいいかもしれない。


昨日、新潟県妙高高原で私の車に寄ってきたヤマトアブ。この時も一時は十数匹が集まってきた。アブはほかにもシロフアブなどの種類がある。何という名前は知らないが北海道にはスズメバチくらいの大きさで体色も似ている大きなアブがいる。大きいだけに刺されないようにより気をつかうことになる。



 
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動物記