90年代末頃から増えてきた
山岳地の防獣柵
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近年、シカやイノシシ等、野生動物による獣害が増えており、我が家でも菜園を守るために電気柵等の対策を余儀なくされたが、これは近郊の田畑だけの話だけではなく、山岳地でも同様で、南アルプスのお花畑がシカ被害を受けたように自生植物の食害が深刻なところも出始めてきた。そのため防獣柵と、人間や車が出入りするためのゲートが各地で設置されるようになった。
私の記憶では、1999年に奥日光・小田代ヶ原でシカ用の防獣電気柵を見たのが最初だったと思う。メイン写真はその時に撮影したものだが、こんなものまで作らなければならないほどの状況なのかと、ちょっと驚いた。そばにある説明板には「平成9年度事業」とあり、設置されたのは1997年だったのだろう。
防獣目的の動物がイノシシということもあるが、やはり多くはシカのようだ。シカの増加は体感的にも感じ、私が住む町内ではかつてシカは生息していなかったが、近年、生息するようになった。最初に「(近所の)○○公園にシカがいるのを見た人がいるらしい」という話を聞いた時はビックリしたほどだが、それから数年で我が家にも来るようになった。電気柵等の対策をしたところ、以後は来なくなったが、取材先でもシカを見かける機会が以前よりも増え、同時に防獣柵やゲートと出会う頻度も増えた。
その実態の一端を知って頂くために過去に撮影した防獣柵やゲートをまとめてみた。
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栃木県日光市。奥日光の小田代ヶ原で1999年に撮影したシカ食害対策の防獣電気柵。

小田代ヶ原植生復元施設(電気柵のこと)の説明板。

同じく奥日光の千手ヶ浜で見かけた光景(上下とも)。やはりシカの食害により根元付近の樹皮が食べられていた木が結構あった。撮影は上下とも2000年。
根元の樹皮がきれい剥ぎ取られた木(左)。そのためネットを張ってシカが食べないよう対策が施されていた(右)。

長野県・霧ヶ峰の八島ヶ原湿原の周囲も以前はなかったシカ防護柵が設置されていた。撮影は2015年。

奈良県の大台ヶ原では、環境庁(当時)により植生保全対策事業が行われていた。学術的に価値が高いトウヒ等の樹木をシカの食害から守るためにネットが張られていた。撮影は2001年。

大台ヶ原の牛石ヶ原にあった「そして、シカもいなくった」と書かれた解説板。シカが増えすぎて主食であるササが喰いつくされると、ササが生育できなくなり、その結果、最後にはシカもいなくなる。「どうしたらいいと思いますか」と問いかけられているが、答えはひとつしかない。ただでさえ温暖化で冬期を生き残れるシカの数が増えているのだから、あとは人為的に個体数調整をするしか方法はない。

似たような解説板はあちこちで見る。これは熊本県の白髪岳で見かけたシカ防除ネット設置の説明板。これによるとネットの規模は延長1キロにも及ぶものらしい。撮影は2014年。
■全国各地の防獣ゲート
↓北海道・斜里岳のオクシベ林道 防獣ゲート

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↑北海道・辺計礼山(べけれやま)の札友内林道 防獣ゲート
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↓北海道・夕張岳の金山林道 防獣ゲート

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↑新潟県新発田市・臼ヶ森の林道米倉大沢線 防獣ゲート
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↓日光高山〜竜頭滝間の登山道にあった防獣ゲート

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↑群馬県・奥白根山登山道の防獣ゲート
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↓長野県・入笠山登山道の防獣ゲート

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↑そこにあった富士見町が設置した説明板
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↓同じく入笠山・入笠湿原入口の防獣ゲート

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↑霧ヶ峰・八島ヶ原湿原防獣柵の説明板
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↓愛知県・飯盛山の防獣ゲート。カタクリ群生地をイノシシから守るためのもの

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↑福岡県・浅間山の林道大日福井線 防獣ゲート
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