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防犯カメラで動画撮影した
チョウセンイタチ
Mustela sibirica coreana
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  昔から裏山にイタチが生息していることは薄々気づいていた。というのも頻繁ではないものの、うちの敷地内やその周辺にイタチのものと思われる細長い糞が何度か落ちていたからだ。また近所で屋根裏に侵入されて糞尿で臭くなり、業者に依頼して駆除したという話しも聞いていた。ただ、直にその姿を見たことはなかった。本サイト『作る!・防犯カメラシステムの構築』で紹介したように、我が家では屋内外にネットワーカメラ17台を設置しているが、それでも自動撮影した静止画にそれと思われる小動物が、数回写っていたことがあるくらいだ。すべて目を通していないので、実際にはもっとあるかもしれないが。

 今夏の夜、仕事部屋でPC作業をしていたところ、裏からガサゴソという音がした。イノシシかもしれないと菜園奥にあるカメラの向きをターンさせると、なんと二匹のイタチが噛みあいの大ゲンカをしていた。ほどなく画面から出てしまったので、現場へ行ってみると、まだ近くの茂みの中でケンカをしている。茂みに向かって土団子(イノシシ等への威嚇用に用意してある)を投げると、ビックリして一匹が出てきた。しかし人間がいたので、慌ててUターン。また茂みの中でケンカをしながら、ほどなく逃走した。

 その後も裏から音がしたのでカメラを向けると、イタチがやってきたことが2度ある。いずれも動画撮影したが、これによって裏山に生息しているイタチが、在来のニホンイタチではなく、移入種のチョウセンイタチであることが判明した。チョウセンイタチは、シベリアイタチ、タイリクイタチ、コウライイタチとも呼ばれるが、西日本の個体群は朝鮮半島由来とされ(対馬の個体群は自然分布)、また家屋に侵入して被害を及ぼすのはチョウセンイタチとのことである。

 チョウセンイタチは尾の長さが、体の長さ(頭胴長)の半分以上あるとのこと(半分以下ならニホンイタチ)なので、動画を静止させて確認すると、尾が半分以上だった。また住宅地に出没することから考えてもチョウセンイタチなのは確実そうである。日本生態学会は日本の侵略的外来種ワースト100に指定している。




菜園奥に現れたチョウセンイタチ。ここは防獣フェンスや電気柵の外側なので、簡単に山からやって来れる。一方、そのせいか敷地内への侵入は以前に比べて減っている感がある。ただ、イタチにとってはどちらもあまり障壁にはならない。乗り越えたり、くぐり抜けるのはお茶の子さいさい。ネット情報によると、なにしろ500円玉くらいの穴があれば通り抜けられるらしい。以下全点、同個体で動画からトリミングしたもの。



草の中の虫でも探しているのか。熱心に行ったり来たり。体の長さの半分以上ある尾に注目。



カメラの真下に来た時に、視線を感じたのかカメラの方を見上げていた。



2匹のイタチによる、噛みあいの大ゲンカ。右側は電気柵だが、10000万ボルトのパルス電流が流れているケーブルに接触することはなかった。

 
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