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アリに擬態するクモ
アリグモ
Myrmarachne japonica
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  今朝、小雨降る菜園で気になる生物を見かけた。菜園の柵に一匹のアリがいたのだが、ひと目見て、「あれ?」と思った。アリにしてはなんかおかしい。最初は獲物を咥えているのかと思った。頭部から何かがはみ出していたからである。
 目を近づけてみて、それが大きなアゴ(鋏角・きょうかく)であることが判明。さらにカメラを取りに戻ってマクロストロボで撮影して、脚が8本あることに気づいた。ということはアリではないし、昆虫でもないことになる。間違いなくクモのなかまだろう。一般にはクモは昆虫と思われていることもよくあるが、節足動物ではあるが、昆虫ではない。
 アリに似たクモって聞いたことがあるような気がして、ネットで調べると、そのまんまアリグモというらしい。アリに擬態して、アリの行動を真似ているという。

 Wikipediaには、「本属のアリへの擬態(アリ擬態)は、多くの動物に危険視されるアリを利して、アリを嫌がる捕食者からの攻撃を避けるためのベイツ型擬態と考えられる」とある。アリに似ていないハエトリグモに比べて捕食される確率が明らかに低い等の理由から、そう考えられているそうだ。

 しかし、それにしても我が家でアリグモを見たのは初めてだ。前回のジムカデのなかまといい、今回のアリグモといい、我が家敷地内という狭いエリアに知らない生物がいつの間にか棲息していたことになる。昔からいたのか、最近やってきたのかは定かではないが。



脚が8本あるので、昆虫ではなくクモのなかまということになる。太くて大きい2本の鋏角に注目。遠目に見ると、クロヤマアリにそっくりである。昨日の日記(2023年5月12日)でも取り上げたように付近にはクロヤマアリが多く、やはりクロヤマアリに擬態しているのだろう。体長もほぼ同じ5〜6ミリ。写真の個体は♂。♀の鋏角は♂よりも小さいようだ。



正面から見たところ。眼の配置と数でクモということは一目瞭然。異様に太い鋏角の先端は鋭く鉤状になり、これで獲物を捕らえるのだろう。2灯式のマクロストロボの光が目に反射している。



 
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