これからお話しする話は、実際に専門家に確認したわけではなく、あくまで私が疑問に感じる、という段階の話であることを前提に読んで下さい。

 人類が、Homo sapiens(ホモ・サピエンス)という学名をもつ動物であることは、すでにご存じかと思います。つまり、白人も黒人もみんな同一種というわけです。でも人種によって肌や瞳の色などの身体的特徴が微妙に異なっているのも事実で、こうした違いを植物に当てはめてみると、それは時に「亜種」や「品種」レベルの違いになります。
 例えば植物AとBは形態的にはほぼ同じだが、植物Aが赤い花を付けるのに対して、植物Bは白い花を付けるとしましょう。この場合、植物Aが母種にあたり、植物BはAの品種だったりするわけです。研究者により見解が異なることもよくありますが、いずれにしてもこのような分類学的な位置関係がある程度明確になっています。
 ところが、人類の場合は、まとめてHomo sapiens と呼ばれることはあっても、人種ごとの分類学的な位置関係が明確に示されることはないようです。これは、分類学的に見て同一種だからではなく、それ以外の配慮が働いていると考えた方がいいのかもしれません。
 私は、この点について植物との比較から疑問に感じていたので、以前、著書も多数書かれている動物に詳しい知人に尋ねたことがあります。すると、やはり彼も「本来は品種レベルの違いだが、人種差別などの問題にもつながるので故意に避けられているのだろう」といっていました。
 私の勝手な解釈ですが、アフリカで最初の人類が誕生したのは間違いないようなので、おそらく母種はネグロイドであり、モンゴロイドやコーカソイドはその品種(もしくは亜種)ではないかと想像しますが(最初の人類とネグロイドがイコールではない可能性もあるかもしれません)、でもそんなことを公表すれば、頭に血がのぼって絶対に認めたくない人も世界にはたくさんいるので、単に学術的な真実だけを優先して、本当のことを軽々しくいえないのかもしれません。
 分類学的な位置関係が、まだはっきりしていないということもあるかもしれませんが、真実であればどの人種が母種だろうが品種だろうが、どっちでもいいだろうって、私なんかは思います。

 
 

Nature

「人類は、すべてホモ・サピエンスという同一種の動物である」

これって正しい?
雑記帳

第8話