昨年(2010年)、中国のさまざまなパクリを日本が批判していることに対して、中国政府高官がこう発言したそうです。さあ、みなさんなら、これにどう反論しますか。「うっ…。確かにそれはいえてるかも…」といってるようじゃダメですよ。

 中国が漢字を発明し、それを日本がずっと使用してきたのは事実です。もし、日本の近くに中国がなければ、それはそれで日本独自の文字が発明されたと考えられますが、中国との貿易や交流を通して漢字はごく自然に日本でも使われるようになったのでしょう。そういう意味においては、豊かな表現が可能な漢字を発明して日本に伝えてくれたことには、率直に中国に感謝したいところですが、逆に日本が中国に教えてきたこともたくさんありますから、ま、お互い様でしょうね。

 いうまでもなく中国から日本に漢字が伝わった当時、知的所有権のような考え方は世界中どこにもなかったはずです。言語や文字がそれに該当するかについては極めて怪しいところですが、そもそも中国というひとつの社会で、自然発生的に発明されたものですから、特定の発明者がいたわけでもありません。つまり、漢字の使用を認める認めないということをいえる立場の人は誰もいなかったのがひとつ。
 次に当時、すでに知的所有権に似た考え方があって、その権利を行使できる人がいたとでもいうのなら、「その権利者が漢字の使用を認めなかったにも関わらず、日本が無視して勝手に使うようになった」とする歴史的根拠はどこにあるのか、ぜひ示していただきたいところです。
 もし中国が、そんなことを言い訳にするのであれば、今後、中国が知的所有権を主張したいときに、同じ理屈で日本が中国の商標や技術をパクっても、中国は文句がいえない、ということになります。それでもいいんでしょうかね。実は自分たちの首を絞める主張にもなっていることに、この中国政府高官はお気づきになっていないようです。

 現在、中国がパクっているものは、知的所有権を持つ日本の権利者が「勝手に使ってはならぬ」といっているものを勝手に使っているから批判されているわけです。従って、漢字の使用とは、まったく次元が違う話ということになります。
 これに再度、反論するのは無理ですよ。中国政府高官だからといってビビることはありません。オイラが簡単に論破しちゃいました(笑)。ほんの些細なことですけど、国益というのはそうやって小さな積み重ねで守るしかないんです。本当に相手の主張が正しければ認めることは必要ですが、単なるバカ正直で得るものはありません。
 
              
 

Nature
これって正しい?
雑記帳

日本だって、中国が発明した漢字を勝手に使っているではないか

第6話