File No.0019
柚子搾り器

 実家には、大きなユズの木があって、毎年冬になると大量にユズが採れる(年により波があるが、今年も豊作だった)。そんなユズの果汁を利用するために「柚子搾り器」がほしいという母の要望を受けて製作したのがこれ。果汁を搾る「臼」の部分は東急ハンズで買ってきたヒノキの丸太を輪切りにした材。ほかは近所のホームセンターで木材を買ってきて組み立てた。
 やはり一番大変だったのは「臼」の製作。単純に深さ均等な丸い穴を開けるわけではなく、中央に高さ1センチほどの柚子を載せる台を残すこと、次にそのまわりの果汁を集める溝は、自然に果汁が流れ出るように傾斜を作って削ることが求められる。コンピューター制御の工作機械があるのならともかく、家庭用の卓上ボール盤や電動ドリルなどの限られた機械だけで、この複雑な構造を削り出すのは、意外と難しい。
 まず卓上ボール盤に直径30ミリのボアビットを取り付け、これで穴開けを繰り返して、台の部分を残して削り、次に臼を傾斜のある台に固定し、これに沿って削ることで、溝に傾斜をつけた。
 ボアビットは、100円ショップで売っていた中国製(といっても600円くらいだった)だが、おおむねよく削れ、結構使えた。ただ、穴を開け始める時に中心がブレないように突起がついており、どうしても小さな穴が開いてしまう。そこで、金ヤスリで突起を削って平らにし、面加工にも使えるようにした。最後にワイヤーブラシや紙やすりなどで仕上げて完成である。   ※ 柚子搾り器 改良編 もあります。



完成した柚子搾り器。臼は固定せず、杵を当てる位置を自由に変えられるようにした。杵の棒とユズを押しつぶす部分は、貫通する穴を開け、そこに木の丸棒を打ち込んで固定した。一方、支柱との固定は棒を繰り返し上げ下げしても耐えられるようにステンレス製のボルトを採用した。


臼の構造。中に直径5センチ、高さ1センチほどの台があり、搾りだした果汁は、まわりの溝に集まって、口から流れ出す。

 
  
ボアビットの加工。中心がブレないための突起がある(左)。これを削って平らにした(右)。中心にドリルがついているホールソーもあるが、ボアビットでは丸く削る部分とは別に中心を通る刃が付いた構造になっているので、突起をとれば面加工にも使える。
 
 
臼内の台にユズを置き(左)、杵で「ぎゅ〜」とつぶして果汁を搾り取る。果汁は溝を通って、この写真には写っていないが、下の容器に溜まるしくみになっている(右)。搾りかすは、ジャムの材料に再利用できる(ジャムを煮る時にある程度の果汁を再度入れる必要はある)。

写真上/別の時に撮影した搾り作業中の様子。下の容器に果汁がたまっていく。写真右/搾りたてのユズ果汁。四国のユズ農家では、同じようなしくみの搾り器を使って、柚子果汁を搾り取って酢の代わりなどに利用しているそうだ。





 

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