Nature
山岳記
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火山6 火山特有の施設 八幡平・玉川温泉など

撮影年月日:2008年6月8日など

 火山やその周辺にしか見られない施設といえば、例えば地熱発電所。八幡平と岩手山の間にある松川温泉には、松川地熱発電所があり、地熱を利用した発電が行われている。ほかにも福島県の柳津西山地熱発電所など、全国に20ヶ所あり、その多くが火山が多い東北と九州地方に集中しているようだ。
 同じく八幡平の玉川温泉には、国土交通省玉川酸性水中和施設という聞き慣れない施設がある。ph1.1という強酸性の源泉から流れ出す酸性水が、下流域の環境に及ぼす影響が大きいため、その対策に建設された施設で、1日あたり石灰石を何と約40トンも用いて中和処理をしているという。同様の施設として群馬県・草津白根山の酸性水を中和されるために作られた草津中和工場などがある。
 また、よく目にするのが、火山活動が活発になった時の警報装置や観測装置だろうか。ほかに活動度が高い火山(Aランク)では、噴火時に待避する避難施設が設けられている。これらは、火山特有のものであり、大自然の脅威が身近な山ならではの緊張感を感じさせる。


松川地熱発電所。巨大な冷却塔が目印(左)。同じ八幡平にある玉川酸性水中和施設(右)


長野県・黒斑山の稜線上に設置された浅間山の観測・警報施設(左)。岩手山の焼走り登山口にある防災無線で起動する警報施設(右)


かなり傷みが激しく、実用に耐えるか疑問だが、浅間山に置かれた噴火時の避難施設。(左)。同じく浅間山の中腹にある小諸市営の火山館に掲示された「火山情報」(右)



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