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火山4 火山性ガス 北アルプス・立山 地獄谷

撮影年月日:2006年10月16日

 火山性ガスとは、火口や噴気口から噴出される硫化水素や二酸化炭素などの気体のこと。特に硫化水素の場合は濃度が高いと生命の危険もある恐ろしいガスで、このことは近年、残念ながら自殺の手段として使われるようになったたために広く知られるようになった。二酸化炭素は硫化水素よりも危険性は低いが、それでも二酸化炭素がたまった窪地に誤って入り、酸欠になって死亡する事故が過去には八甲田山で発生している。硫化水素には腐卵臭(いわゆる硫黄臭)があるが、二酸化炭素は無臭なので注意が必要だ。
 火山性ガスが噴出しているエリアでも正規の登山道を歩くだけであれば、ほとんど問題はないだろうが、万一、火山性ガスに気づいた時は、すぐにその場を離れ風通しのよい場所に移動すること。また水に濡らしたタオルで口と鼻を覆うのも効果があるとされる。また立山・地獄谷遊歩道では、ガスが一定以上の濃度に達すると警報装置が作動するようになっており、さらに遊歩道を外れやすい残雪期や夜間の立ち入りは禁止されている。



立山・地獄谷遊歩道に設置された火山性ガスの警報装置。万一の時は、サイレンとランプで危険を教えてくれる(左)。それに加えて「救急防災箱」と書かれた大きな金属容器も置かれ、おそらく中には担架や酸素吸引器などの機材が一式準備されているのだろう(右)



浅間山・湯ノ平高原登山道に立てられた「有毒火山ガス噴出注意看板」


草津・殺生河原の南側にある硫化水素ガス噴出地。硫化水素の影響で木が生えない


Nature
山岳記

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