Nature
山岳記
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山で困ったこと1 栃木県日光市・女峰山など

撮影年月日:―

 今はほとんどないが、学生の頃は予定通りにコースをこなせずに途中で日没を迎えてしまい、ヘッドライトで照らしながら夜の登山道を下山することが何度もあった。その原因はいろいろで、ひとつは今のようにネットで電車やバスの時間をあらかじめ調べることもままならないから交通機関の接続が予想以上にかかって登山口に着くのが大幅に遅れたり、あるいは下山してみたら最終バスが出たあとで仕方なく最寄りの駅まで歩いたこともあった。はたまた途中でのんびりしすぎちゃったとか、あるいは最初から無理を承知で、なんてこともあった。
 だが友人と一緒だったからあまり不安はなかったし、確かに途中で日没になったときは「困ったなぁ」と思うのだが、一方でそんな予想外の事態が非日常的でワクワクする一面もあった。山の先輩からはお叱りを受けるかもしれないが、まぁちょっとしたスリルを味わった、みたいな感じだ。
 結局、夜の山歩きはかなり体験したが、本当に困ったことも何度かある。例えば奥日光・女峰山に登った時。本来、霧降高原から登る方が早いのだが、物好きな我々は東照宮わきから黒岩経由で登るコースを選択。出発もさほど早くなかったことも手伝って、唐沢小屋から山頂を目指したのは日も西に傾く頃。これじゃ途中で日が暮れるのは確実と、山頂を目前に登頂を断念。モッコ平経由で下山することに。しかし小屋から市街地までは所要約4時間。やがて真っ暗になり、ヘッドライトの光を頼りに真っ暗な道を下って行った。だが周囲の森からは動物の奇声がこだまして気持ち悪いし、何度か道を見失い、迷っては何とか正しい道に復帰することを繰り返した。昼間なら間違えることはないだろうが、夜はライトの範囲しか見えないから道を外れやすくなるのだ。結局、8時にバス停に出て、東武鉄道の最終で東京に戻った。日付が変わる頃に世田谷の自宅に着いたが、もうくたくた。
 このときは最終の電車に乗れたからよかったが、駅に着いたものの最終電車が終わっていることが判明して唖然。仕方なく駅の待合室で始発を待って翌朝帰途についたことも何度かあった


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