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靴底マット・靴底洗い場 群馬県片品村・鳩待峠

撮影年月日:2012年7月25日

 貴重な自然環境が残る山に元々自生していない雑草が一旦入り込んで繁殖すると、生態系保全上、好ましくないために除去する必要があるが、時に根絶させるまで大変な作業となる。そこで入山者各自で靴底ソールに付着している雑草種子をなるべく取り除いてもらおう、という意図で登山道入口などにマットや洗い場が設置されていることがある。
 私の経験でいうと東日本ではたまに見かけるが、なぜか西日本ではほぼ見かけない。山岳地における雑草リスクが東日本にしかないわけではないと思うのだが、これってどのような理由だろうか。東日本の方が西日本よりも自然度が高い場所が多いので、対策の必要性も高いし、関係者の意識も高いとか?
 おそらく最初にこの対応をしたのは尾瀬ではないか。かなり早くから目にした記憶がある。その後、北海道の利尻・礼文など、他所でも見かけるようになった。

 場所毎に対策内容は異なるが、尾瀬ヶ原の玄関口・鳩待峠では人口芝が代用されていた。人口葉の先が尖っているので、玄関マットよりも靴底溝の土をかき出しやすいからだろう。ほかに沢を利用した洗い場もあった。完全にブロックするのは無理にしても、何もしないよりかはマシだろう。



尾瀬ヶ原の主要玄関口・鳩待峠の登山道入口に設置された靴底マット。グレーチングを置いた上で、人口芝も少し長めに取り付けてあり、除去効果も高そうな印象を受けた。



北海道・礼文島の桃岩展望台コース入口に置かれた靴底マット。撮影は2013年。


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そのマットのそばに環境省稚内自然保護官事務所の名前で掲示されていた説明板。希少植物の宝庫である桃岩歩道への外来植物侵入防止に協力しよう。



北海道・利尻島。利尻山の北麓野営場登山口に作られた靴底洗い場。単にグレーチングが置かれているだけではなく、浅い水深になるように水がためられ、登山靴のソール部分だけが水に浸るようになっていた。撮影は2013年。



北海道・雨竜沼湿原手前で渡る沢をそのまま利用した「靴底洗い場」。撮影は2013年。



そこには「靴底洗い場」の案内板が立っていて、雑草種子を落とすように書かれていた。



その18年前。1995年に撮影した同じ沢。「靴底を洗え」との案内はなかった。



上記の例とは少し違うが、こんな車バージョンもある。北海道留寿都村・尻別岳登山口に続く未舗装道入口には、やはり洗浄目的での「水溜め」があった。種苗管理センターの圃場があるためか、車のタイヤを洗ってせん虫の浸入を防御する目的があるようだ。



秋田県由利本荘市・桑ノ木台湿原手前にある沢を利用した靴底洗い場。ここにはブラシまで用意されていた。撮影2013年。



新潟県佐渡島。金北山縦走路入口に置かれていた靴底マット。撮影は2016年。



北アルプス・八方尾根自然研究路入口の靴底マット。撮影は2009年。



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