Nature
山岳記
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何だ?コレ14 宮城県栗原市・白糸ノ滝入口

撮影年月日:2008年6月12日

 「どう見ても車じゃないですか」と、いわれそうだが、車種と撮影した場所がポイント。場所は宮城県栗原市の温湯温泉から白糸ノ滝や湯ノ倉温泉入口へ続く未舗装林道で、岩手宮城内陸地震で大きな被害が発生し、すぐ先の吊り橋では死者も出た場所である。実はこの写真を撮影したのは、地震発生の前々日。このときは、まさか直後にあれほどの大地震が起こるとは想像だにしていなかった。わずか2日前のことだから取材日程がずれていれば、自分も被害に遭ったか、あるいは運が悪ければ土砂崩落に巻き込まれて死んだ可能性もあったわけだ。
 この日、取材のため白糸ノ滝入口へ向かっていたところ、先行する車に追いついたのだが、すぐに未舗装林道に実に似つかわしくない車であることに気づいた。走っていたのは、ワックスでピカピカに磨かれたトヨタの最高級車・センチュリー。しかも色は黒だから、会社社長や重役の社用車みたいに見えた。そんな車が、東京の赤坂とか銀座とか走っているのなら納得なのだが、山の中の未舗装林道で水たまりの水をバシャバシャ跳ね上げながら走っていたので、「似合わねぇな〜」と思いながら、カメラを構えた次第だ。何が目的だったのかは不明。道を間違ったにしては、迷いもなく走っているように見受けられたが…。
 ほかにも山形県・朝日連峰の未舗装林道で、ベンツに遭遇したこともある。高級外車のオーナーでも山菜採りに来たり、山の秘湯に入りに来る人もいるかもしれないが、やはり不釣り合いと思わずにいられなかった。



栗駒山の未舗装林道を走るセンチュリー



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