<<前のページ | 次のページ>>
果実は生でも食べられる
ナガバモミジイチゴ
バラ科
Rubus palmatus var. palmatus
…………………………………………………………………………………………………

 バラ科キイチゴ属の落葉低木。本州中部地方以西、四国、九州に分布。日当たりのいい山野に生える。高さは1~2メートル。葉は長卵形で3~5裂し、中央裂片が長く先がとがるが、裂けないこともある。葉が長く、裂けてモミジの葉を思わせることから「長葉紅葉苺」。縁は重鋸歯が並び、基部は浅い心形。葉の裏面脈上や葉柄には刺がある。

 4月に径3センチの白い5弁花を下向きに開く。花柄には毛が生える。6~7月に径1~1.5センチの集合果をつけ、橙色に熟す。生食できるので、私は山で見かけると1個、2個口に入れたりすることもあるが、ジャムなどに加工する人もいるようだ。

 本州中部地方以北には、本種よりも葉の幅が広い卵形~広卵形で、やはり3~5裂するモミジイチゴ(var. coptophyllus )が分布するが、中間的なものもあることから両種を分けない見解もある。また特に葉が深く切れ込むタイプをキクバモミジイチゴ(f. dissectus )として分けることもある。

 長野県の木曽地方には、葉がほとんど分裂せず、先が尾状に尖り、葉の質が薄い長野県の固有種・キソイチゴ(var. kisoensis )が知られる。大正15(1926)年に木曽地方南部の山中で採集され、昭和2(1927)年に変種として報告されている。




広島県安芸太田町の三段峡で見かけたナガバモミジイチゴ。橙色に熟した実は甘酸っぱくておいしい。


核果が集まった集合果を拡大してみた。滋賀県大津市・武奈ヶ岳。



東日本に分布するモミジイチゴの花。栃木県佐野市。




  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記