森林の世代交代に欠かせないしくみ
倒木更新
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樹木が寿命を迎えたり、台風の強風に晒されるなどして倒れると、森にぽっかりと穴が開き、それまでは樹冠に遮られて薄暗かった林内に太陽光が届くようになる。すると樹木の新芽にとっては千載一遇のチャンス。特に倒木の上は苔が生えて水分を保つ働きをし、倒木自体も養分を供給するので、倒木上の新芽は成長しやすくなり、その結果、世代交代が起きる。これを倒木更新、あるいは倒木上更新という。
倒木更新の過程を観察するのに適しているのは屋久島だと思う。島内の遊歩道や登山道を歩くと、倒れて間もない木もあれば、時間が経って表面が苔むし、そこから幼木が育ちつつあったり、あるいは倒木がすでに朽ち果て、根元に空間ができている木があったりする。そんな倒木更新があちこちで進んでいるのがわかる。
倒木と同じように切株でも世代交代のきっかけになって、切株上に新しい木が成長する切株更新も屋久島ではよく見られる。

白谷雲水峡の遊歩道上にまたがる「くぐり杉」。根元に倒木が残っていないので腐りやすいツガの倒木上に育ったと考えられているそうだ。ちなみにヤクスギランドにも同名のスギがある。

これも白谷雲水峡にある特徴的な三本足杉。これも倒木更新によって根元が開いた可能性がある。

ヤクスギランドで見かけた倒木。表面はあまり苔が覆っておらず、倒れてまもないと思われる。

倒木上でスギの幼木が育ちつつあった。同じくヤクスギランドで。

倒木上には、スギだけでなく、照葉樹(樹種は不明)の芽生えも。

倒木更新や切株更新の解説板。

切株の上に新しい世代の木が成長した切株更新。ヤクスギランドで。
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