春と秋に別種かと思わせるほど変身する
センボンヤリ (ムラサキタンポポ)
キク科
Leibnitzia anandria
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キク科センボンヤリ属の多年草。沖縄を除く全国に分布し、山野の日当たりのいい草地などに生える。春型と秋型があり、別種の植物かと思わせるほどに変身する。根生葉はロゼット状で、春の葉は小さく卵状三角形で縁には欠刻があり、裏面は白いクモ毛が密生する。一方、夏から秋にかけて出る葉は長さ10~15センチと大きく、倒卵状長楕円形で羽状に中裂し、頂裂片も大きい。
また春型の花茎は高さ5~10センチと低く、4~6月に直径1.5センチ程度の頭花を1個つける。舌状花は、白い表側に対して裏側は淡赤紫色をしていることからムラサキタンポポという別名もある。夏から秋にかけて高さが30~60センチにもなる花茎をのばして林立し、その様子を槍に見立てて和名が付けられた。その槍先にあるのは、筒状花だけが集まった閉鎖花。閉鎖花は長さ1.5センチほどで、名前の通り、開花せずに総苞に包まれたまま結実し、成熟すると淡褐色の冠毛が開き、そう果を風で飛ばす。

4月、サクラが咲く頃に高尾山から城山へ向かう奥高尾縦走路上で見かけたセンボンヤリ。春型なので葉は小さく花茎も短い。

広島県の恐羅漢山で5月中旬に撮影したセンボンヤリ。舌状花の裏側は、このような目立つ色をしている。株によってはもっと薄いものもあるが、この株は濃い色をしていた。

林立する閉鎖花。閉鎖花が成熟すると、右のように冠毛が開く。10月初旬、山梨県大月市・岩殿山。
開いた冠毛をアップ。11月下旬、東京都八王子市・多摩森林科学園(左)。飛びかけているそう果。11月中旬、奥多摩・金比羅山(右)。
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