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多くの都道県でレッドデータに記載される
キンセイラン
ラン科
Calanthe nipponica
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 ラン科エビネ属の多年草。北海道と本州中部地方以北、中国・四国地方、九州(熊本県)に分布する。名前は「金精蘭」で、花の色に因む。深山の林床に生え、エビネに似た葉が数個開く。その間から20〜40センチの花茎を立ち上げて、5〜10個の花が疎らに付く。萼片と花弁は黄緑色。唇弁は淡黄白色で先は3裂する。

 写真は、ある人に案内してもらって撮影した某県某所のキンセイラン。周辺には花を付けた株が5〜6株、付けていない株も数株見られた。昨年、最も花を多く付けていたらしい株は、今年は虫食いの小さな葉を出しているだけで見る影もなかった。同じ株でも年により生育状況が極端に変わることを伺わせた。



案内してくれた人が、「確かこのあたりのはず」といっているにも関わらず、キンセイランは見あたらない。盗掘か…と不安がよぎる。ところが、さらに進むと上の方にある黄色い花に目がとまった。「あった〜。よかった」。付近を探索すると次々に花を付けた株が見つかって、とにかく安堵。



この花を見れば、金精蘭という名前を付けた人の気持ちは理解できる。



  
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植物記