マングローブの構成樹種
メヒルギ(リュウキュウコウガイ)
ヒルギ科
Kandelia candel
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マングローブというのは、熱帯や亜熱帯地方の河口や潮間帯(満潮と干潮の間)にできる林のことで、満潮時には根元が海水に浸かる環境にあり、根には塩分吸収を抑制するしくみがあるともいわれている。
マングローブを構成する樹種にはオヒルギやヤエヤマヒルギなどがあり、その中で最も北まで分布するのが本種である。北限は鹿児島県鹿児島市喜入町で、「喜入のリュウキュウコウガイ産地」として国の特別天然記念物に指定されているが、江戸時代に喜入領主の胆付氏が薩摩藩の琉球出兵の際に持ち帰って植えたとする移植説が有力だそうだ。
分布は、琉球諸島を経て南アジアまで広がっているが、鹿児島県の自生地はほかに種子島、屋久島、奄美大島、徳之島などに限られ、鹿児島県レッドデータブックの『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物・植物編』では、「準危惧種」に指定されている。
ヒルギ科メヒルギ属の常緑小高木。メヒルギ属は本種が属するだけの1属1種である。高さ4〜7メートル。6〜8月に白い5弁花を出す。萼は花弁に見えるが、糸状に細裂した部分が本当の花弁だ。種子は樹上で発芽して、長さ15〜40センチの胚軸をのばす。オヒルギよりも胎生種子が細いことから「雌漂木」。
以下の写真は、屋久島・栗生のメヒルギ群落で撮影したもの。
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メヒルギ花期樹形。幹の下部から多数の支柱根を出す。
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花弁のように見えるのは萼片。細い毛のように見える部分が花弁だ
芽生え
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屋久島・栗生のメヒルギ群落全景。栗生川河口の右岸側にある
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