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風が植物の生育に影響する
風衝樹形と風衝草原

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 風の強い山の稜線などに生える木は、一定の方向から吹く風によって枝の生長が影響し、風下側に枝がのびる独特の樹形になる。これを風衝樹形(ふうしょうじゅけい)、あるいは偏樹形と呼ぶ。また林全体が風の影響を受ける場合は風衝林形という。
 一方、風が強くて木すらも生育しにくい環境では、草原しかできない。このような草原を風衝草原と呼び、高山の稜線や島などに形成される。どちらも強い風が植物の生育に影響したもので、それを観察することでその場所の環境の一端がわかる。風衝樹形の場合は、春から秋にかけての木の生育期にどの方向から風が吹くことが多いのか知ることができる。

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美ヶ原で見かけた風衝樹形のカラマツ。枝が南側にはのびずに北側に向けてのびていた

風衝樹形の一例。生長期には画面右から左に向けて風が吹くことが多いことがわかる。南アルプス・地蔵岳(左)。風衝草原の一例。風が強くて木が生育できない。北海道・礼文島、桃岩遊歩道(右)。



  
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Nature
植物記