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確かにムカデのような姿
ジムカデ

ツツジ科
Harrimanella stelleriana

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 ジムカデは漢字で書けば「地百足」。多数の小さな葉が茎を覆い、確かにムカデのように見える。実に言い得たネーミングだ。北海道と本州中部地方以北の高山帯の岩場に生えるツツジ科ジムカデ属の常緑矮性低木。ちなみにジムカデ属は日本では本種だけ。
 花は白い鐘形で深く5裂し、わずか長さ4〜5ミリしかないが、それでも全体と比較すると大きい。花期は7〜8月。あたり一面に群生することもあるようだが、私はそんな場面に遭遇したことはない。写真は北アルプス・乗鞍岳登山道で見かけたもの。

 ところで植物の形には不思議に感じることも多いが、ジムカデの姿を観察すると、ますますその思いを強くする。「どうして、その姿になった?」と聞いてみたい衝動にかられる。進化の過程で厳しい高山帯の環境に適応して矮小化したのはわかるが、このジムカデにしろ、同じツツジ科のイワヒゲにしろ、その姿は実にユニーク。自然のセンスと発想力にはとても人間はかなわない。そりゃそうか、そもそも人間も自然の産物だもんな。



見れば見るほどムカデそっくりだ。



  
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植物記