| 陰謀論を信じる人々 〜それ自体が陰謀の可能性はないのか?〜/2021年5月3日
4月30日付け朝日新聞大阪本社版1面に載っていた記事「かすむリアル」を読んで驚愕した。「コロナのワクチンにはマイクロチップが入っていて、5G電波で繰られる。打てば5年で死ぬ」「菅も麻生も逮捕された。今、表に出ているのはゴムマスクやクローンだ」という陰謀論を自民党福井県連のナンバー2の要職にある人が信じていて、そんな話しを議会報告の冊子に掲載して地元で配布したり、自身のフェイスブックに記事を載せたりしている…とあった。しかも、そんな記事を読んだ人からの反応は、励ましや絶賛ばかりだったという。与党である自民党がそもそも大嫌いな朝日新聞に載っていたという点は多少割り引いて見るべきかもしれないが、これが事実だとすれば、まさに「衝撃」といわざるを得ない。
うわ〜。ありゃりゃりゃ〜。どうしてそんな言説を信じちゃうんでしょうかねぇ。現時点では注射針を通り抜けられるほどのサイズで、しかも外部からの電波によって人間の行動を繰れるマイクロチップが技術的に可能とは思えない。たとえ冷蔵庫ほどの巨大な装置を用意したとしても、それでも人間の行動を繰ることはできないだろう。なのにマイクロチップでできるわけないじゃん。また人間のクローンを作るのも現時点では不可能というのが私の認識である。SF映画やアニメの見過ぎというか、なんかもう「世界の終わりレベル」だな。
こうした陰謀論を容易に信じてしまう人というのは、おそらく「物語」と「事実」の区別がつかないのではないか。「物語」というは、「事実」とは無関係にどうにでも話しをつなぐことができる。マトモな人なら「技術的に不可能」と判断できることでも「それは表向きの話し。実はどこそこの研究所が密かに開発に成功していて…」みたいにいえば、なんでも辻褄が合う。「物語」というのは、現実世界との接点がまったくなくても成立するので、一見すると辻褄が合っていて正しく聞こえる内容でも、実は「物語」の中だけで辻褄が合っているに過ぎないのだ。これってある意味、宗教とも似ている。
陰謀論のすべてが眉唾物とまでいっていいかどうかはわからないが、結局のところ、信用に足る根拠が本当にあるかないかが重要なポイントだろうな。もしかすると1000ある陰謀論の中にはひとつくらいは真実があったりするかもしれないが、歴史をふりかえれば、過去に語られた陰謀論のうち、結局、正解だったものってほとんどないんじゃないかな。陰謀論なんて、そんなもんだよ。たぶん。
いや!! その一方で次のようにもいえる。自分たちが信じている世界観こそ正しいという前提自体が間違っている可能性がないと断言できるのか? 日本国民は、北朝鮮国民を見て、国や指導者に騙されていることにどうして気づかないのかと思っているだろうけど、実は日本国民も何かにずっと騙され続けている…という可能性は絶対にないといえるのか?
私は陰謀論を無条件に信じることはもちろん一切しないわけだけれど、別の意味で世の中には、注意しなければいけないことっていろいろあるだろうなと思う。例えば、今話題のオリンピックもそうかもしれないよ。オリンピックというと、みんな無条件に「輝かしい歴史と伝統に支えられた世界的イベント」とみなすだろうけど、結局、一部の人たちのドル箱になっているのが現実でしょ。開催国にとっても経済効果というメリットは大きいし、確かに「感動の舞台」でもあるし、陰謀とまではもちろんいえないけれど、巨額のマネーが動いて一部の人の懐を潤しているのも事実だ。世界的イベントには、どうしてもお金かかるので、経済とは切り離せないというのもわかるけどね。イヤないい方をすれば、世界中の人がオリンピックビジネスにいいように利用されている…ともいえるわけで。その程度のことなら世界中にいっぱいあるのが現実というもの。陰謀論よりも、むしろそっちの方に問題が潜んでいるかもね。
そもそも陰謀論自体も誰かが自らの利益に結びつけるために垂れ流している陰謀の可能性が十分にあるということに気づこうね。
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