Nature
「空前の登山ブーム」は、実はものすごく恐ろしい/2021年2月26日

 栃木県足利市の両崖山で山火事が続いている。ハイキングコースの休憩所付近が火元と見られているということは、ハイカーが火事の原因を作った可能性が高そうである。タバコの火の不始末か、あるいは昼食の調理で使ったバーナーの火が引火したのか。

 昨年4月11日にも大分県竹田市の立中山(たっちゅうさん)の山頂付近で山火事が発生し、ミヤマキリシマ群落約1万平方メートルが焼失しているが、これも登山者のバーナーから近くの木に燃え移ったのがきっかけだったらしい。
 その後、やはり九州の山だったと思うが、国立公園の特別地域に該当する山頂で焚き火をしている人がいて、やめるように注意したが、「はいはい」みたいな対応で聞く耳を持たなかったという報道もあった。

 以前、『関西周辺登山口ガイド上・下』(神戸新聞総合出版センター)の取材で関係者に話しを聞いた際に、兵庫県のある山で、何年か前に登山者のタバコの不始末から山火事が発生した、と聞いたのも思い出した。

 近年は空前の登山ブーム。当然のことながら健康や経済にプラスという光の面だけではなく、影の面も増幅してくる。山に入る人の数が増えれば増えるほどに、山中で火を使う機会も増え、使っているご本人はみんな揃って「火の扱いには十分注意している」と、もちろんそういうに決まっているわけだが、山に入るのが年間100人なら問題がなくても、年間千単位や万単位になってくると、中には火の扱い方に対する注意力が不十分な人もいたりして、それが湿度の高い時であれば大事に至らなくても、乾燥条件が偶然重なったりすると、今回のような事態につながると思われる。

 かなり以前の話しだが、草紅葉に輝く尾瀬・上田代の写真を撮るために尾瀬御池から軽く往復した際のことだ。途中ですれ違った2人連れ男性登山者のうちの一人が、手に火が付いたタバコを持っているのを見て、一瞬ギクリとした。注意すべきか迷ったが、結局、喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。というのも、その時、聞こえてきたもう一方の男性が口にしていた言葉が、山火事の危険を伝えようとしている内容だったからである。おそらく、その男性も、連れがタバコに火を付けたのを見て驚いたのだろう。

 秋ということは当然、足元は落ち葉でいっぱい。しかも、雨で濡れてもおらず、乾燥してカサカサの状態。そんな場所でタバコに火を付けて、吸いながら歩くなんてあり得ない。それでも一方の男性がマトモな人だったので幸運だったというべきか。おそらく直後にタバコの火を消したと思うが、現実にこんな人が実在していて、平気で山に入ってきていることになる。

 空前の登山ブームというのは、実はものすごく恐ろしい事態でもある。先に触れた国立公園の特別地域でも平気で焚き火をするような、生態系の知識云々以前のレベルで大いに疑問符しか付かないキ○ガイ、もしくはキチ○イ予備軍みたいな人が、国内にはいっぱいて、今後も「当然、自分たちも自然を楽しむ権利がある」とばかりに、いっぱしを気取って続々と山に入って来て自分たちの欲求そのままに行動し、表に出ないところで次に何をやらかすかと思うと、「恐ろしい」以外の言葉が思い浮かばない。実は生態系の知識なんか、まったくありゃしない一般登山者の、呑気過ぎて、とってもオメデタイお花畑的発言なんか、まだかわいらしく思えてしまうほどだったりしなきゃいいけど。

 えっ!? キ○ガイという言葉は、現代にあっては禁句ですって? なにをトボケたことを仰るんでしょうかねぇ。こういうキチ○イに対して、きれいごとばっか気にして本当のことを誰もいわないので、余計にキ○ガイが世にはびこるんですよ。私に「キチ○イという言葉は使ってはならん」というヒマがあるのなら、こんなことを平気でしているキ○ガイの方を先に糾弾して下さいね〜〜。ちなみに「キチ○イという言葉は使ってはならん」といっている時点で、あなたもキ○ガイを使ってるんですけどね。こういう「木を見て森を見ず」の人たちも、キチ○イの人たちと似たようなもんかもね。





 
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