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新型コロナウィルス感染拡大により登山も自粛すべきか否か/2020年4月24日

 山岳4団体が新型コロナウィルス感染防止のため登山などの自粛を呼びかけたらしい。同報道を受け、アルピニストの野口健氏も「山が混み合えば他の登山者に感染させるかもしれない。仮に遭難者が感染していたらレスキュー隊に移してしまうかもしれない」とツイッターで自粛を呼びかけられたようだ。
 これに対してホリエモンが、「頭悪すぎて笑う」「人気の山に行かなきゃいいだけの話だろボケ」と批判した…という記事を昨日読んだ。はたしてコロナ拡大を受けて登山も自粛すべきか、それともこういう時だからこそ登山は自粛疲れの息抜きになるのか。どっちだろう。

 もともと私は、単独、もしくは普段も生活を共にしている家族が、近郊の山に寄り道なしのマイカー登山をするだけであれば、3密にも当たらず問題はなく、さらにいえばこれこそ全国一律ではなく地域によっても判断は変わるものと考えていた方である。
 この記事を読んで、確かに両者ともに一理あると感じた一方で、ホリエモンのいうことは確かにその通りなのだが、山というのは、「人気の山」と「人気がない山」の2分類で分けられるほど単純ではない…とも思った。

 例えば、東京の高尾山は確実に前者に該当するが、近くの生藤山がどちらに該当するかという話しになると微妙だろう。つまり、どんな山でも明快に「人気の山」と「人気がない山」と完全に分けられるわけでもなく、どちらともいえない微妙な山の場合。おそらく登山者はいないだろうと思って行ってみると、自粛疲れの人が、人気の高尾山を避け、「生藤山くらいならちょっとマイナーだし、高尾山ほど登山者がいないだろうから大丈夫」みたいな軽いノリで集まって、思わぬ混雑が発生する可能性は十分にあると思われる。生藤山の各登山口には大規模な駐車場もないので、登山道が渋滞するほどになることはないにしろ、時間帯や場所によっては他の登山者と距離をとれない状態になることもあり得ると思うね。

 登山口で混雑していれば、「じゃあ登山はやめて帰ろう」という判断も可能になるわけだが、朝いちでスタートした時点ではガラガラだったが、下山の途中から次々に人が登って来て、登山道が狭い区間で運悪く大勢の登山者と次々に対面するハメになり、どうしても近い距離でのすれ違いをせざるを得なかった…みたいな可能性はある。

 当初思われていたよりも新型コロナウィルスの感染力が高いことから考えれば、確かに野口氏のいう通り、山が混み合えば他の登山者に感染させる、もしくは他の登山者から感染する可能性も想定される。

 そもそも、これから登ろうとする山が混雑するかどうかというのは、なかなかわからないことも多い。私の経験で言えば、予想外に誰もいなかったこともある一方で、予想以上に混雑していた、あるいは朝は混雑していなかったが、時間の経過に従って混雑し始めた例はいくらである。平時もそうだが、特に今の時期のような特殊条件も加わってくると、余計に見極めは難しい。

 登山歴が長い人であれば、生藤山のような微妙な山を除いて、確実に安全な山(ほとんど登山者がいない山)を選択できる可能性は増す。このように安全な山を選択できて、さらに前述した条件のもとで登山をするのであれば、まったく問題はないと思うが、肝心なのは、そういう判断がすべての登山者で可能というわけではないということだ。であれば、今回、山岳団体や野口氏がいうように、やはり大枠では、登山の自粛を呼びかけるしかないと考える。

 野口氏は、アルピニストだけあって、おそらく上記のようなことも想定された上で、あくまで「山が混み合えば」という仮定で仰られているのに対して、ホリエモンは、一見、鋭いことをいっているように聞こえるが、要はご自身に登山の経験がないか、もしくは不十分なために上記のような想像力が働かないのだろう。パチンコ店における玉やコインによる接触感染リスクをまったく想定していないなど、私の勝手な印象をいわせてもらえれば、他人のことを「頭悪すぎて笑う」というほど、この人は頭がいいとは思えないのだが。





 
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