口蹄疫に対して消費者が冷静である理由/2010年5月24日

 先日、朝日新聞を読んでいたらBSEや鳥インフルエンザの時と比較して、今回の口蹄疫に対して消費者の反応が冷静なので、社会全体に「科学的な見方」をしようという意識が浸透してきたからではないか、という消費者団体トップの意見が掲載されていた。確かに少しずつではあるが、消費者は賢くなっているとは思うが、それは十年二十年単位で見たときにちょっとばかしマシになっているという程度の話で、わずか数年前のBSEや鳥インフルエンザの時と比較して、消費者に「科学的な見方」が浸透しているとは私はまったく思わない。冷静、冷静というが、冷静であることがイコール科学的であるわけでもなく、鳥インフルエンザのように冷静過ぎて対応が遅れれば、それだけリスクが増えることも間違いない。一見、冷静に見えても、それが現状を正確に把握できていないことによる「呑気」に起因するのでは意味がないのだ。

 消費者が冷静なのは、BSEや鳥インフルエンザが自らに被害を及ぼすかもしれないのに対して、口蹄疫の場合は被害が及ばない(人間には感染しない)ことを報道を通して知っていただけのことであって、科学的な見方が浸透したからではないと思う。残念だが、科学的な見方(たとえそれが情報の根拠を確かめる程度の話であっても)ができるほど、一般消費者のレベルは高くない。日本の消費者を国際比較すると、ちょっとだけ意識が高いのは間違いないが、科学的な見方ができるにはほど遠いのが現状である。日本では、マスコミですらあれほどレベルが低いのに、一般消費者の程度なんて所詮知れている。



 

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