| 新型インフルエンザの対応は、決して騒ぎすぎではない/2009年5月3日
WHOが週明けにも警戒レベルを引き上げ、世界的規模の流行(パンデミック)とする可能性を示唆しているそうだ。鳥由来の新型インフルエンザが流行する危険性の方に目をとらわれていたら、思わぬ伏兵がいたってことだが、でもネットユーザーの反応に「騒ぎすぎ」という意見が多いのに正直愕然とする。おそらく今回の豚由来の新型インフルエンザが弱毒性であるという言葉のイメージをそのまま鵜呑みにし、さらにはタミフルなどの坑インフルエンザ薬が効くという報道に起因しているのだろう。
一昨日の朝日新聞にも記事になっていたが、インフルエンザウィルスの弱毒性、強毒性というのは、それぞれ定義があって、弱毒性とは感染しても軽い症状ですむという意味ではない。今回もメキシコなどで死者(幼児や高齢者よりも20〜40代に多いようだ)が多く出ていることを見れば、決して甘く見てはいけない病原体であることがわかる。死者が出たのは医療体制の問題も確かにあると思うが、日本のような先進国は医療体制も整っているし、タミフルの備蓄もあるから、そんなに騒がなくても大丈夫というのは明らかな間違いだよ。仮に日本で死者は出なくても感染者が増大すれば、日本国内だけの問題ですむとは限らず、人の移動に伴って、さらに医療水準の低い国に感染が拡大する可能性もある。空港でいくら検疫しても、感染直後は症状が出ないわけだから決して万全な対策とはいえない。医療水準の低い国で感染が広がれば確実に死者が出るだろう。それを防ぐには、すべての国が感染拡大を防ぐ、あらゆる対策をとる以外に方法はない。従って日本政府の対応は決して騒ぎすぎではなく、当然といえる。敢えていえば、こういうトンチンカンな意見が出てこないように国民に向けてもっとしっかり説明をした方がいいかもしれない。
北朝鮮のロケットの件でも「日本は騒ぎすぎ。韓国やアメリカはずっと冷静」という意見があったけど、うーん、なんじゃそれ。ロケットの予定進路から完全に外れている韓国が冷静なのは当たり前。アメリカは、北朝鮮から断然距離があるわけだから、日本と比べれば危険性はさらに低下するわけで、冷静でいてもおかしくない。一方、日本はその真下にあって何かが落ちてくる可能性があったわけだから、騒がない方がどうかしている。こういうのって冷静な意見でもなんでもなくて、単に頭がパーなだけだよな。
それにしても表面的な自分の印象だけで、ろくに調べもせずに物事を判断する人が多いのも何だかなぁ。だから「世論」というのは必ずしも信用できないのだ。いろいろな点に想像力を働かせて、もっと慎重に判断した方がいいと思う。なんでも思いついたことをいえばいいってもんじゃない。いや、いってもいいんだけど考え方が薄っぺらってことがバレバレだよ。
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