| 民主党・永田寿康議員のメール問題。私はこう思う/2006年3月16日
永田議員のメール問題について、ほかの民主党議員から自らの正当化ともとれる意見が、このところ続いた。例えば「議員は質問するのが仕事なのだから、それがけしからんというのなら質問もできないじゃないか」とか、「メールはニセモノだったが、だからといってライブドアからの献金疑惑が完全にシロになったわけではない」とか。そんな意見を私は呆れて聞いていた。議員は質問し疑惑を追及するのが職務である。これは当然のことだ。だが問題なのは質問をしたことではない。充分な根拠もなく相手をクロと断じて、「魂を金で売った」などの言葉を使ったことが問題なのである。もし、永田議員が「そのような疑いがあるが、どう説明するのか」というくらいの言い方をしていれば、ここまで大きな問題にはならなかったはずである。
こんな話にたとえてみよう。あなたが大勢の人通りがある場所を歩いているときに、突然警察官に呼び止められ、大声で「おい、おまえ、覚醒剤をやっているだろう」といわれたとしよう。まわりの人々はあなたを遠巻きにしてジロジロと白い目で見ている。あなたは、びっくりしつつも「いったい何の根拠があっていっているのか」と反論を続ける。すると警察官は次第にトーンダウン。さらに反論すると「ある情報をもとにそう思い込んでしまったが、その情報自体が間違いだったかもしれない」といい始める。当然、あなたは心底頭に来て猛抗議。ところが、そんな会話を聞いていた通行人が「警察官は犯罪者を検挙するために疑うのが仕事なんだから疑われても仕方ない。疑うのがダメというのなら警察官の職務は果たせない」という。また別の通行人はこうもいう。「警察官は間違った情報であなたを疑ったかもしれないが、だからといってあなたが本当に覚醒剤をやっていないという証拠はない」と。あなたは、この意見を聞いて「確かにそうだ」と納得するだろうか。普通の神経をもつ人であれば、「冗談じゃない」とやり場のない怒りに震えるはずだ。
警察は根拠のない情報だけで、犯罪者と決めつけて逮捕するようなことは基本的にはしない。残念ながら、どこの国でも絶対にないとはいえないのが悲しいところだが、普通はあり得ない。持ち物を検査し、実際に覚醒剤が見つかったり、尿検査でクロと判定されて始めて逮捕となるのだ。警察官といえども、その時点からようやく犯罪者として扱うことが許されるのだ。
この問題は、例のメールが起源になっているということを忘れてはいけない。つまり、そのメールがガセだったことが判明したのだから、同時に疑惑も消失してしまったのである。それでも「ライブドアからの献金疑惑が完全にシロになったわけではない」というのなら、同じように献金がなかったという証拠はないといえる、ほかの国会議員全員も疑惑の対象にしなければならなくなってしまう。疑惑の根本がウソだったことが判明した時点で武部幹事長はほかの全国会議員と同じ立場に戻ったのである。もし、まだ疑惑があるというのなら、きちんとそれなりの根拠を揃えてから口にすべきだ。
そもそも絶対に公にしたくない裏の献金を完全に証拠が残る銀行振込するバカもいないと思うけどねぇ。永田議員は元キャリア官僚でありながら、そんなことにも気づかないでガセネタを掴まされ、それでもまだ情報提供者を信用しているといっている。まったく何を考えているのかね。私は以前からはっきりモノをいう永田議員をちょっとはかっていたのだが、今回は完全な勇み足。今の立場に恋々とせずに、一から出直せといいたい。
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