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客を待たせない郵便局の窓口に/2005年12月10日

 日本郵政公社になって前よりもサービスがよくなり、局員の接客態度も丁寧になったと感じていたが、なかなか改善されないのが、振り込みなどの窓口である。私が利用するのは秦野郵便局だが、ここには振り込み窓口は4つもあるのに20人近く待つ人がいる時でも2つしか開いておらず、かなり待たされることもしばしば。そんな時に郵便物の窓口にいる2人の職員がヒマそうにしていたりすると「もう少し何とかしろよ」といいたくもなってくる。しかも秦野郵便局では、その2人以外にワゴンで切手を売っている人も別にいるのだ。人員の配置に問題があるんじゃないか。

 郵政公社になってから利用に関するアンケートをしていたので、この不満を書いたのだが、見ていないのか、何らかのできない事情があるのか知らないが、全然改善されなかった。もちろんアンケートをして、利用者の意見を聞こうという姿勢は評価するが、こうした不満についてはどう思っているのだろうか。

 先日も振り込み窓口が2つしか開いておらず相当待たされたので、自分の番になったときに窓口の人にそのことをいってみた。だが「申し訳ないと思ってるんですが…」という反応しか返ってこなかった。

 だが、私は客を待たせていることに対してちょっと鈍感だと思う。たとえ振り込みであろうと何だろうと郵便局の利用者はお客様という意識が乏しい気がしてならない。窓口を4つ開けられない事情はもちろんあるのだろうが、問題は本当にそれが不可能な事情なのかどうかだ。

 何かあることをしようとする時、決まって「これこれこういう理由で不可能」と努力もしないで、初めからできないと決めつける人がよくいる。だが、本当に不可能なのか。昨年、こんな話をテレビで取り上げていた。某大手銀行でのことだ。異業種からやり手の経営者をトップに招き入れて経営建て直しを計った。その時、その経営者がしたひとつの改革が、いかにお客様を待たせない窓口にするか、ということだった。その時、行員からは「事務作業上の制約があって時間短縮はできない」という反対意見が上がったそうだ。だが、その人は「それは行内の問題であって、お客様には関係ない」とつっぱねたという。そして、さまざまな工夫や努力をして、結局、待ち時間を大幅に短縮させることに成功したのだった。つまり、やろうと思えばできることだったのだ。

 同じことが、本当に秦野郵便局ではできないのだろうか。銀行でできるのなら郵便局でもできるのではないか。要はやろうという意気込みがあるかないかの違いではないのか。振り込み窓口では、ある程度の知識や経験が必要だろう。だから郵便物窓口の職員が兼務することはできないのかもしれないし、時折、郵便物窓口が混雑することもあるから、やはり最低2人は必要ということもあるかもしれない。だが、そうだったとしてもまだ努力できる余地はあるのではないか。限られた職員が客の多い少ないによって、効率よく兼務対応できるように、そもそも人材育成の時点からの方針を変えるとか、局内の規則があるのであれば、職員が動きやすいように規則を緩和するとか。ひとつの視点から見てだめなのなら、もっと上からの視点で見ればいい。局で対応できなければ、さらに上部の組織が動けば、不可能も可能になるのではないか。

 私が以前住んでいた横浜の、最寄りの集配局は、立地条件が悪いのか、いつ行っても振り込み窓口はガラガラだった。ところが秦野郵便局に行くようになって、混雑していることが多いのにびっくりした。秦野郵便局でも時期によってはすいていることもあるのだが、こうした現状は、神奈川県内全体を見たときの郵便局や人員の配置に問題があるということにならないか。

 窓口の職員が、事務作業を急げばミスをする可能性もあるから、それはできないのはわかる。だが、彼らに本当にお客様を待たせて申し訳ない、という意識があるかといえば、私は疑問に感じる。もし私なら別のデスクに何かを取りに行って窓口に戻ってくるとき、ゆうゆうと歩いて戻るようなことはしない。小走りに戻る。そんなことをしてわずかな差しかないかもしれないが、それは少しでもお客様をお待たせしない、という意識があるかないかの問題だと思う。

 窓口が混雑しても客が待つのが当たり前。そんな意識では民営化したあと、サービス向上で勝ち抜こうとする銀行に次第に足元をすくわれるぞ。もちろん、同じ意識しかない銀行にもいえることだ。今後の秦野郵便局を主なサンプルとして観察しながら、郵便局全体のサービス向上に注目したい。




 
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