これまで聞いた話や読んだ話の中から、特に不思議に感じる話、怖い話を選び出してみた。
<<前のページ | 次のページ>> | |
未知の集落 友人から聞いた話だが、明治か大正時代のこと。日本のどこであるかはわからないが、ある山で道に迷った学者が偶然たどり着いたある集落。だが、そこは外部とのつながりが一切ない集落だった。この集落では何代にもわたって血を重ねていたためにどの人も同じ顔をしており、独自の文化をもっていたというのである。にわかには信じがたい話しだが、柳田国男の著書の中にその記述があるともきき、全集のそれらしい部分に目を通してみたが、見つけることはできなかった。従って実話なのかどうか、現時点でははっきりしていない。 しかし『山形県最上の巨樹・巨木』(東北出版企画)には、大正末期〜昭和初期頃に国勢調査の折に初めて発見された集落の話が載っている。その集落というのは、ずっと昔から居住していたわけではなく、歴史は浅かったようだが、役場でもその存在を知らず、原始的形態の集落だったという。 山の奥に、里の人間が誰も知らない未知の集落や家がある。まるで遠野物語のマヨイガのようだが、現代ではもちろんあり得ないにしても、過去に実在したとすれば、どんな集落だったのか非常に興味を覚える。 |
|
<<前のページ | 次のページ>> |