これまで聞いた話や読んだ話の中から、特に不思議に感じる話、怖い話を選び出してみた。


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私が体験した話
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伊豆大島・三原山 謎の怪音


 1988年9月10日午後7時40分ごろ。伊豆大島で「ドーン」という音が響き渡った。島民はみんな、また三原山の噴火かと思ったという。島民がそう思うのも無理はない。気象庁大島測候所でも噴火と思い、「噴火した模様」という臨時噴火情報を出したほどだった。
 ところが、測候所職員や大島署のパトカーが三原山山頂に確認に行ったところ、噴火はしていないことが判明。1時間ほどして「噴火ではない」と先の情報を修正する火山情報を出した。しかし噴火と間違えるほどの大きな音の原因は何だったのか。島民はみんな気味悪がったそうだ。気象庁でも音源についてはわからないとコメントしている。

 だが、調べてみると似たような怪音騒ぎは過去にも各地であったらしい。いづれも新聞報道されるほどの大きな音だったようである。
●1975年1月21日午前10時45分頃。東京・霞か関、警視庁周辺で「ズシーン」という音が響いた。
●1983年秋。東京の赤坂で「ドーン」という音が毎日のようにした。多い日は十数回も起こった。
●1985年1月25〜27日。茨城県南部から千葉県東部に渡る広い地域で「ズズーン」という音ともに家が揺れた。
●1988年9月10日。つまり先の伊豆大島の怪音騒ぎと同じ日。時間は少しあとのことで午後10時15分。東京・六本木の「六本木暮園」付近でドカンという爆発音かした。

 このうち1985年の茨城県〜千葉県の例は、隕石の落下によるものという結論になったと私は記憶している。ほかの例も、やはり隕石の落下と関係があるのだろうか。だが、それでは毎日のように発生した赤坂の例は説明できない。
 もしかすると未知の自然現象という可能性も否定できない。実は、こうした大砲の発射に似た空中から聞こえる謎の爆発音はダイナマイトが発明される以前から、イタリアや西ヨーロッパなどでは知られており、ギリシャ語の「ブロンデ」(神鳴)にちなんで、ブロンティーデス現象と呼ばれているとか。
 ちなみに私の自宅でも、時折「ズズーン」という音がして、わずかに窓ガラスが響くことがある。毎日というわけではないが、もう何年の前からずっとだ。どこかの工事現場の音だろうと思っていたが、何年もかかる大規模な工事って一体全体どこでやっているのだろう。そこらへんの道路工事くらいじゃ、そんな大きな音はしないだろうし。



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