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締め切った部屋でカーテンが揺れる

 これは今年の早春のこと。自宅の一室で炬燵に入ってテレビを見ていたところ、締め切った部屋であるにもかかわらず、テレビの背後のカーテンが突然揺れたことがあった。それだけの話で実に些細なことなのだが、私には不思議に感じた。揺れたのはカーテン全体ではなく、窓の左側に寄せたカーテンだけで、閉めていたレースのカーテンの方は揺れなかった。時間にすれば1〜2秒程度だったと思うが、かなり明瞭にはっきりと揺れた。
 部屋は閉め切っていて、空気の出入りはない。アルミサッシには、ガラスの上部や下部に外気を入れるための開閉できる隙間が設けられているものもあるが、うちのサッシにはないから、風が入ってきて揺れたのではない。また、よほど強風の時ならサッシを閉めていても、風がサッシの小さな隙間から入ってくることも考えられるが、その日の風はほぼ無風だった。さらにいえば、カーテンの裏側にエアコン配管用の穴があるとか、通風口があるというわけでもない。ペットを飼っているわけでもないからペットが揺らしたわけでもない。もちろん地震があったわけでもない。カーテンが揺れたのはこの時限りで、その後はない。
 似たようなことは以前一度だけ体験したことがある。それは高校生の時、広島の実家でのことだ。夜、2階にある自分の部屋でベットに入って寝かけていたところ、天井からガタガタッという音がした。「何の音だ?!」とびっくり。すぐに側にあった机のライトを付けようとしたのだが、スイッチを入れた瞬間「ブチッ」という音がして偶然にも電球が切れてしまった。慌てて部屋の電気をつけて見回したが、何事もない。音は柱がきしむような音ではなく、屋根裏部屋の奥の方からというよりも、かなり天井に近い位置から、ちょうど小動物が走るような、あるいは手で軽く板を叩くような音だった。音の原因としては、まず考えられるのは屋根裏にネズミのような小動物がいたということになろうが、実家2階の屋根裏は、倉庫として使えるように改装してある上に、古い家ならどこかに隙間があって、そこからネズミが進入する可能性もあり得るが、屋根裏も含めて家全体を大きく改築・改装して間もないころのことなので、隙間などはなくその可能性は低い。また普通の屋根裏は風通しのための直径1センチ程度の穴が多数開けてあるが、実家では荷物を置くので、そこから虫などが入らないように、その穴にもメッシュの細かい網を張ってあり、ここから何かが入ることも困難である。もし仮にネズミがいたとしたら、その後も足音がするはずだし、屋根裏の倉庫にその痕跡があるはずだ。ところが、音がしたのはこの日限りで、その後は一度もないし、痕跡も皆無なのだ。
 どちらも、たったそれだけの話だが、まわりの状況を詳しく知っているだけに、私には不思議に感じるのである。原因はなんだろう。

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不
思
議
な
話

山を舞台にした話じゃないけど、私がこれまでに体験したことや聞いた話をご紹介したい。