Nature
 
私の仕事・取材グッズ


●デジタルカメラ
 
近年は、デジタルカメラしか使用しなくなった。現在、愛用しているのは、ニコンD700とD800の2台。


●フィルムカメラ

 以前はニコンF100×2台とペンタックス67Uのほか、ニコンF80やひと世代前のペンタックス67なども所有していたが、まったく使わなくなり、すべて売却した。


●コンパクトデジタルカメラ
 以前、取材先の長野県岡谷市のヤマダ電機で買ったPENTAX Optioのコンパクトデジタルカメラも、手軽に撮影できるので結構使用している。小さいのに水中撮影(水深1.5m、30分間まで)も可能なので、メモ用に買ったのだが、たぶん水中撮影に使うことはほとんどないだろう。むしろ雨の日でも、気にせず使えるのが便利そう。ムービーカメラ(後述)は、大変重宝しているが、立ち上がりが遅いのが玉にキズ。急いでいる時はイライラする。それに比べて、こちらのデジカメは立ち上がりが早いのがうれしい。
 下の写真は試しに妙高高原の渓流で水中撮影したもの。動画でも水中撮影してみたが、結構おもしろい画像が撮れた。まるでNHKの自然番組で見る水中画像のような雰囲気(あくまで雰囲気)になった。これほどコンバクトで、手軽に水中撮影ができるとはペンタックスもなかなかやるねぇ。感心した。
 その後、Optioの後継機種に買い換え、現在はそちらを持ち歩いている。



●レンズ
 シグマの12〜24mmf4.5〜5.6、24〜70mmf2.8、50〜500mmf4.5〜6.3OS、180mmf3.5マクロ、ニコンの50mmf1.8(ベローズ接写用)、105mmf2.8マクロ、タムロンの28〜300mmf3.5〜6.3VC、SP90mmf2.8VC、SP60mmf2。


●カメラ固定器具
 また私は下のようなカメラ固定器具をアルミ材で自作し、35mmカメラに小型三脚を常時付けて、そのまま腰に付けられるように工夫している。つまり撮影の度にザックから出し入れするのではなく、常に露出させておくことで取材効率も上がる。こういう方法でもカメラを何かにぶつけることはほとんどない。ただ埃が入り込みやすいので、カメラの掃除は欠かせないが。小型三脚を付けておくのは、私の場合、花を接写する機会が多いから。花の接写では、普通のポートレート用に売っている小型三脚でもだいたい使用に耐えうる(以前、売っていたEtsumi製の丈夫な小型三脚を長年愛用し、壊れたら買い換えることを繰り返していたが、製造中止になってしまったので、最近はHakuba製の小型三脚を使っている。しかし、やや不満が残るので、以前愛用していた三脚程度のものがないか探しているところだ)。場合によってはカーボン三脚に付け替えて撮影することもあるが、効率がいいので大半は小型三脚で済ませる。


カメラを固定器具に取り付けたところ(左)とカメラをはずしたところ(右)
 雲台下部に逆L字状の金具が付いており、それを固定器具下のスロットに差し込む仕組みにしてある。仮にカメラを付けたまま走っても、スロットから金具がはずれてカメラを落ちることはないが、万一の場合も考慮してゴムで被膜したU字金具(写真の黒い部分)も付けてある。また見ずにカメラを固定器具に戻しても、ほぼ確実にスロットに差し込むことができるので、カメラの収納−取り出しに必要な時間は限りなく短かい。また固定器具はベルトで腰に固定するが、横に突き出したレンズは、狭い岩場や登山道でほかの登山者とすれ違う場合など注意すれば、あとは自分が転ばない限り、大きな問題はほとんど生じない。危なっかしそうに見えるが、レンズを何かにぶつけて壊したことは今まで一度もない。
 ところで最初は、逆L字金具に切り込みを入れ、スロット内部にバネ付きのストッパーまで付ける細工までしていた。はずす時は、ストッパーと連動するボタンを押せば、ストッパーがはずれて、カメラを固定器具からはずせるようにしていたのだ。つまりボタンを押さなければ、カメラがはずれることがない仕組みにまで作り込んでいたのだが、何度か使ってみてストッパーがなくてもカメラがはずれることはなさそうなので、より簡単に収納−取り外し作業ができるように、その部分をのちに丸々切断してしまった。
 取材先でこの固定器具を見た、ほかのカメラマンの人から、たまに「自分で作ったのか」などと質問される。中には「いいアイデアだ」と感心してくれた人も何人かいた。
 ちなみに写真に写っているウエストポーチには、バネ2本でつないだ自作中継ベルクロを間に入れて使っている。これならバネの力で、適度な力で腰に固定できる。これらの器具は、もう10年近く愛用しているが、壊れたことは一度もない。私は市販品になく自分で作れるものは自分で作るのを信条にしているが、この2点の取材グッズは我ながら完成度が高い自作品だ。



●三脚
 やはり軽量ということでベルボンのカーボン三脚カルマーニュの大小2本を使用。ずっと脚の固定をナットで行う旧タイプを使っていたが、今年2006年から新しいレバー式のものに買い換えたところ想像以上に脚の伸縮が楽になった。買う前は脚の剛性は大丈夫なんだろうかと思っていたが、実際に使ってみるとレバー式でもナット式とまったく同じ剛性があるように感じた。ナット式の脚はそのまま予備として車に載せてある。
 ただ付属の雲台は使いにくいので、それぞれジッツオの雲台をつけて使っている。付属の雲台では、67判カメラで低速シャッターを切ったときにブレやすかったが、雲台を付け替えてからというものブレが格段に減った。車にはほかに予備として普通の三脚も2本も載せてある。


●パソコン
 カメラとともに仕事になくてはならない相棒。現在、使用しているのは、マウスコンピュータのDAIV。ほかにデスクトップのバイオとエプソン製のノートPC。


●プリンター
 プリンターは、エプソンのA3カラーデジタル複合機・オフィリオ。大量の校正紙でもADFに載せれば、あとは自動的に控えをとってくれるので、実に便利。またPDFファイルで送られてきたA3校正紙をカラー出力したりと、何とか重宝している。ほか主にホジフィルムをデータ化する時に使うスキャナー(これもエプソン)も2台ある。


●実体顕微鏡
 もともとは植物の構造を観察するために購入した。双眼の低倍率の顕微鏡で、透過照明と反射照明が選択できるので、ルーペでは確認できないポジフィルムの細かな部分を見るときに、結構重宝している。例えば、撮影した植物体の細かい部分を確認したり、看板の文字を読んだりするのに、欠かせない。高倍率のルーペでも、こういう確認はできるとは思うが、双眼なので見やすさは、その比ではない。





●登山靴

 軽量で履きやすい布製のしっかりしたケイランドの登山靴を愛用している。予備の意味で2足ある。以前は皮製の登山靴を使用していたが、私の足の形にあまり合っていなかったので、よく足の小指が痛くなっていた。ほかに軽いコース用にトレッキングシューズ、ぬかるみが多いコースのためにゴム長靴やスパイク付きのゴム長靴も車に載せてある。意外と歩くのに支障がないので、結構ゴム長靴で歩くことも多い。ゴム長靴の場合も登山靴と同様、足には厚手の登山用靴下を履く。


●ザック
 私はカメラザックというのが嫌いなので、普通のザックを使っている。使用しているのは、カメラを取り出しやすいようにファスナーで大きく開閉できるタイプの普通のザック。カメラ機材の保護という観点からいえば確かに弱いのだが、最低限の保護でも、これまでにカメラやレンズに問題が生じたことはない。要は使う人間の注意によって、大半のインパクトを避けることはできる。あとはその確率とリスクとの兼ね合いの問題でしかない。ところでザックは全部で8〜9個持っているが、常用しているのはそのうち3つだけ。


●携帯電話・スマホ
 取材先での連絡やメール受信にこれは欠かせない。私はドコモ、au、ソフトバンクの3台の携帯電話を持っているので、ドコモが通じなくてもauが通じるなど便利がいい。もちろん、その目的のためだけに3台の携帯電話を所有しているわけではないが。


●レーザー距離計
 ニコンが発売しているレーザーで対象物との距離を測る機能が付いた望遠鏡。私がもっているものは800mの距離まで1m単位でデジタル表示されるもの。いつも取材に持参しているわけではないが、湿原の大きさを測るときなど、必要があれば持参する。ただ、若干の誤差はあるようだ。



●クリノメーター
 クリノメーターは地学調査などに使う道具。ファインダーとその角度を測る分度器、方位磁石がついている。例えば滝の高さは、このクリノメーターと先のレーザー距離計を用いれば、三角関数の計算で簡単に算出できる。






●ボイスレコーダー

 たまに重宝するのがボイスレコーダー。メモするよりも早く簡単に記録できるが、多数のデータを取ったときに、覚えておかないとあとから目的の記録がどこにあるか見つけるのが難しいのが欠点。声のデータは、帰宅後にパソコンに転送して管理している。ただ、以上の理由から取材の記録は主にメモ帳を用いている。


●ムービーカメラ
 今年の取材から使い始めたのがビクターのエブリオ。4GBのハードディスクに動画と静止画、それに音声だけの3通りの記録ができるタイプのもの。これまで、わかりにくい分岐の状況などは数カットに分けて撮影したり、メモ帳に見取り図を書いたりしていたが、より現地の状況をリアルに記録できるのは動画が一番優れている。あとから「あの場所にトイレあったっけ」とか「ベンチはあったかな」と疑問が浮かんだら、パソコンに保管した動画で確認するのだ。また案内板や解説板は、これまではすべてホジフィルムで撮影して記録していたが、それをすべてこのカメラの静止画ですませることができるようになった。年間に節約できるフィルムはかなりの本数になりそう。動画はデジカメでも撮影できるが、記録容量が全然違うので、気にせずにどんどん録画できる。また2009年に同じくエブリオのハードディスクメモリカメラに買い換え、今はこちらをメインに使用。ただ、山に持参することはない。


ザックに入れて持ち歩く小物類
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@フィルター
 PENTAX67のレンズ及び35mmカメラの常用ズームは82mm径が多いので、それ以下の77mmなどのレンズには、ステップアップリングをつけて82mmで統一してある。さすがに52mm径のマクロレンズなどはそのままだが、82mmに統一することによって、使う頻度が低い特殊フィルターも82mmだけ持ち歩けば用が足りる。フィルターケースはケンコーの布製ケースを愛用している。布製というと何となく危なっかしそうだが、これまでのところザックの中で割れたことはない。持ち歩いているのはグリーンエンハンサーやND8、ND4フィルターなど6枚。
A常用フィルターケース
 これはケンコーのフィルターについてくるケースを2つ組み合わせて自作したもの。ケースの透明な部分は捨てて、白い部分の一部をカッターで切断。これをふたつを合わせてテープで貼れば出来上がり。四方のうち一方だけ口が開いたままになっていて、ウエストバックの隙間に同じものを2つ立てて使う。よく使用するPLフィルターとプロテクターフィルターやUVフィルターを入れ替える時、その使用しない方をさっと収納するためのケースだ。いちいち@のようなケースを取り出して入れたりするのは、めんどうだからだ。
B熊除けスプレー
 人が滅多に入らないようなクマ生息地に行く時などに持参。やはり心強い。
C扇子
 暑い夏山では、扇子はなかなか便利なグッズ。風がない時は、特にありがたい。破れても惜しくないように100円ショップで購入したもの。サンシェードに流用できる黒い団扇もある。やはり100円ショップで買ってきた団扇に、つけ消しの黒塗料を塗って自分で作ったものだ。
Dコンパス
 私の腕時計には電子コンパスもついているが、念のために普通のコンパスも常にザックの中に入っている。
Eカメラ小物
 アイピースキャップなど時折使用する小物をまとめてスライド式の金属製ケース(東急ハンズで購入)に入れてある。
F予備電池入れ
 チャックで開け閉めできるビニールケースにカメラなどの予備電池やプローニーカメラの予備スプロールを入れある。私の常用カメラ2台(PENTAX67とNikonF100)、およびJの高輝度発光ダイオードヘッドランプはいずれも同じCR123Aという電池規格なので便利。
G日焼け止めクリーム
 日焼け防止に留まらず、百害あって一利なしといわれる紫外線を防ぐには欠かせない。屋外で日差しにさらされる機会が多いので、メガネもUVカット仕様。
HI100×150mm角樹脂フィルターとホルダー一式
 ハーフND2フィルターと同ND4フィルター。遠景の山をくっきりさせたい時などに使用する。100×150mmフィルターはホルダで挟む位置を変えるだけで、アンダー気味にする範囲を自由に調整できるので優れている。ただ取り付けはややめんどう。
J高輝度発光ダイオードヘッドランプ
 最近出てきた高輝度発光ダイオードを利用したヘッドランプ。
K赤外線遠隔撮影装置
 ニコンのルミコントロールセット。離れたところからシャッターを何度も切る時に使う。登山道などの写真では人が立っていた方が、その場の雰囲気が伝わりやすい。しかし私の場合は基本的に一人で取材するので、ほかの登山者でもいない限り自分でモデルになるしかない。そんな時はカメラを三脚に固定し、離れたところからこのリモコンでシャッターを切る。以前は高価なルミコントロールセットしか発売されていなかったが、この安価タイプが出たので飛びついた。使用頻度は高い。
Lサンシェード
 フード代わりに使ったり、これも使用頻度が高い。固定する器具もある。
Mメモ用のボールペン
 キャップ式ではなく、ノック式に限る。ありきたりの道具だが、コースタイムを記録したり、途中で見かけた花の名前を記録したり、取材には欠かせない。車には予備の新品のメモ帳とボールペンが常に複数載せてある。
Nレリーズ
 たまに使用。私は基本的にPENTAX67ですら、レリーズは使わないでシャッターを切る主義。ほかの人はどうか知らないが、カメラを上から押さえる方が、よほどレリーズなんかよりもブレにくい。レリーズは特殊な撮影をする時に使う。
Oライター
 私はタバコは吸わないが、いざという時のために100円ライターは常に持ち歩いている。ジッポーのライターも持っているが、これは使わないでいるといつの間にか燃料が蒸発していることもある。いざという時に使えないと意味がないので普段持ち歩くことはない。
P小型メジャー
 花や果実などの大きさを測ったりするのに使用する。
Qアングルファインダー
 ファインダーの像を直角の方向から見ることができるので、例えばカメラを低くセッティングして花の接写する時などに比較的楽な姿勢でファインダーの像を確認できる。接写には欠かせないグッズ。私のアングルファインダーはすでに十数年使い続けており、しかも山に持ち歩くときはウェストバックに入れっぱなしなので、キズがついたりして、もうポロポロ。とりあえず像は問題ないので、今のところ買い換える予定はない。


●ザックに常備している撮影小物と
「いざという時グッズ」
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    ◎いざという時グッズ◎
@針金類

 たとえばザックのジッパーが壊れて閉まらなくなったとか、あるいは足を骨折したり捻挫した時、針金があれば落ちている木の枝を利用して簡単な松葉杖のようなものも時間をかければ何とか作れる。私は基本的に取材時も単独行なので、そんな事態も想定して応急措置用に用意してある。針金は糸よりもはるかに強い。
Aレスキューシート

 極めて薄く、しかも保温性の高いシートで、折り畳むとこのサイズだが、広げると全身を包み込むことができる。登山コースによってはツェルトを持参することも稀にあるが、日帰り程度ならこのシートだけにする。万一の時は、一晩くらいなら何とかしのげるだろう。もちろん季節によっては、これでもかなり寒いだろうが、あるとないとでは体力の温存にかなりの差が生じると思われる。
Bファーストエイドキット

 中にはキズテープや包帯、頭痛薬などが入っている。
Cトゲ抜き

 トゲが刺さることは稀だが、刺さったままでは取材に集中できないので。
D呼び子(笛)

 万一の時、自分のいる位置を気づいてもらうため。登山用の呼び子。
E保険証のコピー

 意外と忘れるのが、これ。保険証自体持ち歩かなくてもコピーで充分。
F裁縫セット

 針と糸。ほかに安全ピンも。以前、春山で下山中にズボンのお尻の部分が破れた時、1時間くらいかけて修繕して事なきを得た。その山行は車利用ではなく電車利用だったから、もしこれがなかったら、破れたズボンのまま電車に乗るわけにもいかず困ったことになっただろう。
G固形燃料

 ブロックタイプのもの。火をおこすとき、これがあれば断然燃えやすくなる。
H割り箸

 昼食用の弁当を持参したのに割り箸を入れ忘れることが時々あるため、ザックの「いざという時グッズ」専用の袋に常備してある。

    ◎撮影小物◎
I邪魔な枝などを除けておくための道具

 撮影時、枝などが邪魔になることがあるが、そんな時にこれを使う。多くのカメラマンも似たようなものを使っていると思う。2つの洗濯ばさみを糸で結んだものだが、私の場合は、さまざまな状況にも対応できるように糸巻き部分を自作し、糸の長さをかなりの幅で調整できるようにしている。バネが入っているのは、必要以上の力で木に負担をかけないようにするため。
Jカッター

 滅多に使わないが、花の断面を見たりする時などに使う。ナイフの変わりとして使うことも。
Kピンセット

 花などの撮影物にゴミなどがついていたら取り除くためだが、実際には落ちている小枝などで取ることが多い。ほとんどはそれで取れる。
L小型ペンチ

 先の針金を使って補修する時などに使う。
Mシャワーキャップ

 突然、雨が降り始めた時にカメラにスポッとかぶせれば雨除けになるので便利。私の場合は、先にも書いたように腰にカメラを取り付けて歩くので、少々の雨ならカメラを取り付けたままシャワーキャップでしのぐ。シャワーキャップは100円ショップに行けば、何枚もセットになったものが売っている。コンビニのレジ袋でも代用できるが、ゴム付きなのでこちらの方が使いやすい。これほど安くて便利なカメラ用レインコートはない。安いので、破れたら捨てるだけ
Nハケ

 花のゴミを取ったりするのに使う。ホームセンターで買ってきたペンキ用の小型ハケだが、柄が邪魔なので切断して短くした。
O精密ドライバー

 カメラ用の精密ドライバーが1本だけ入れてある。
P先がカギ状になった道具

 随分昔から持ち歩いているが、実は使ったためしがない。
Q以上の撮影小物を入れておくための袋

             




 
仕事・取材グッズ