ハスの花托のような巣を作る
アシナガバチ
Polistes rothneyi (キアシナガバチ)
Polistes jokahamae (セグロアシナガバチ)
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先日、相次いでアシナガバチ2種の行動を観察する機会があった。最初はセグロアシナガバチ。キアシナガバチはよく見るが、セグロ〜の方はあまり見る機会がない。そのセグロ〜が防虫ネットハウス扉の取っ手の上で一生懸命に何かをしていた。近づいて観察すると、ちょうど肉団子を丸めているところだった。肉団子は、蝶や蛾の幼虫・青虫を狩って、その肉を丸めて作るのだ。大アゴで器用に丸めていた。肉団子は丸めて巣に持ち帰り、細かく切って幼虫に与えるのだろう。
その数日後。今度はキアシナガバチが防獣フェンスの横木の上で、やはりしきりに何かをしていた。餌もないのに何をしているのか覗き込むと、こちらは横木の表面に大アゴを立てて、木の繊維を削り出していた。あーそうか。キアシナガバチといえば、うちでもよくハスの花托や果托のような形の巣を勝手に作られていることがよくある。その巣も雨が直接かからない場所を故意に選んで作っているとしか思えないことが多いので、それにも相当に感心するのだが、その巣の材料を確保しているのだろう。「うちの防獣フェンスにキズを付けるとはけしからん!
」といいたいところだが、あとで削っていた場所を見ると、細い線のようなキズがあるだけで、ほとんどわからなかった。それにしてもフェンスの支柱も横木も防腐塗料が塗ってあるのだが、その有害性にはキアシナガバチは気づかないということのようだ。
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ハスの花托や果托のような形の巣を作り、幼虫の世話をするキアシナガバチ
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2025年7月、仕事部屋の窓の上、屋根の梁にキアシナガバチがいつの間にか巣を作っていた。アシナガバチはあまり攻撃的ではないので、何もしなければ刺すこともないだろうとほっとくとにした。しばらくして見ると、写真のような状態だった。椅子を下に置いて、その上に立ち、マクロストロボ付きのカメラで撮影。若干の威嚇行動が見られたくらい。

防獣フェンスの横木から巣の材料を削り出すキアシナガバチ。奥から手前に向けて削り出しており、そのため木の繊維が大アゴの後にたまっている。その逆よりも作業効率がいいのはいうまでもないが、キアシナガバチが逆の選択をしないのは、どのような生物学的な背景があるのか、知りたいところだ。こういうことって特に理解はしていなくても、経験から自然と理に叶った方法に帰着するものなのか、それともそうでもなく、意外と脳で高度な情報処理をした結果だったりすることもあるのだろうか。
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本文で「細い線のようなキズがあるだけで、ほとんどわからなかった」と書いたが、あとで周囲をよく見ると、アシナガバチが削ったと思われる跡が結構あることに気づいた。まあ、それにしても勝手に削ってくれてるよ(笑)。 |

肉団子を器用に丸めるセグロアシナガバチ。カメラを近づけて撮影しても気にも留めずに肉団子作りにいそしんでいた。昆虫にどの程度の味覚があるのか不明だが、動物性ということはヌクレオチドがうま味成分として作用していることになるのかな?
ヌクレオチドがあるだけで、彼らにしてみれば「ご馳走」なのかも。
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