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山の素掘り隧道 長野県栄村・魚野川渓谷

撮影年月日:2010年10月20日

 県道や国道、高速道路のような自動車道路にある隧道(トンネル)では、重機やシールドマシンによる掘削方法がとられ、内側にコンクリートを打って補強される。しかし山岳地にある歩行者用隧道は、補強材を使わずにそのまま岩を掘るだけの「素掘り」であることが多く、昔はツルハシなどを使って人力で作られた。ただ、登山道に隧道があることは滅多になく、大抵は渓谷沿いの道にある。隧道を掘るには手間と費用がかかるので、登山道の場合は隧道を掘らなくてすむルートにすればいいだけ。一方、渓谷沿いの道の場合は、岩が河川側に張り出していたりすると迂回できないため、やむを得ず隧道を掘るしかない。

 私が過去に見かけた歩行者用素掘り隧道を以下に集めてみた。ほとんど数メートル〜10メートル程度と短く、すぐに抜けられたが、コンクリート製と違って岩肌が剥き出しなので通行中に崩落して生き埋めにならないか、とちょっと不安になる。また稀に長い素掘り隧道もあるが、内部に照明はないので、ヘッドライトかLEDライトは必携で、地下水がしみ出して上から水滴がポツポツと落ちてくることもある。




魚野川渓谷沿いにのびる魚野川水平歩道。河川名は中津川だが、中津川渓谷というと下にも掲載した同名渓谷が他県にあるので、上流の魚野川から命名されたものと想像される。県境を越えて群馬県側の野反湖まで達する道だが、渋沢ダムまでは黒部峡谷の下の廊下を思わせるような道が続く。コース前半で遭遇する素掘りの隧道から水平歩道を見る。



同じく水平歩道の素掘り隧道。ほとんどの素掘り隧道は、このように長くても10メートルくらい。



青森県西目屋町。白神山地の暗門の滝遊歩道途中にある素掘り隧道。この地形を見れば、道を付けるには、隧道を掘るしかないことがわかる。撮影2001年。



同じく暗門の滝遊歩道の素掘り隧道。撮影2001年。



青森県むつ市(撮影時は大畑町)。薬研渓流遊歩道の素掘り隧道。入口とその周辺だけ法面保護のコンクリートで固定されているが、中は素掘りだった。長さ100メートルもあり、しかも途中で曲がっているので、中は真っ暗。ライトなしには歩けない。撮影2002年。



その隧道の解説板。かつて森林鉄道が敷設され、この隧道は昭和初期に人の手で掘られたという。



秋田県仙北市・抱返り渓谷の道。ここにも岩に素掘りした隧道があった。撮影2001年。



同じく抱返り渓谷。上写真の素掘り隧道内から見たところ



同じく抱返り渓谷。別の素掘り隧道。



広島県安芸太田町・三段峡にある素掘り隧道。撮影2014年。



車も通れる素掘り隧道。工法は未確認。車が入れるので重機が使われているかもしれない。福島県北塩原村・中津川渓谷にて。撮影2000年。



群馬県沼田市・栗原川林道の途中にある素掘り隧道。栗原川林道は皇海山の登山口にあたる皇海橋に続く未舗装の道。林道なので重機で掘削していると思う。撮影2009年。




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