File No.025
車載用充電式扇風機


 夏の車中泊時、ぜひほしいと思っていたのが、実は扇風機。大抵の場合は網戸にするだけで涼しくなるが、それでも蒸し暑くて寝苦しい夜もある。そんな時、ここに扇風機があればいいのに…と何度思ったことか。
 車にはサブバッテリーシステムに連動するAC電源が付いているので、卓上型の小型扇風機を載せれば車内で使用できるが、就寝中に何時間にもわたってサブバッテリーを使うのはあまり好ましくないし、かといってアイドリングするのなら車のエアコンを入れればすむ話になってしまう。
 そこでサブバッテリーに負担をかけない、単独で充電して使用できる扇風機がほしくなった。もちろん扇風機から自作すると大変なので、扇風機自体は既製品を使い、使用目的に合わせて改造することにした。
 なかなか手頃な扇風機が見つからなかったが、昨年(2010年)、偶然にネットショップで販売されていた乾電池式の製品を発見。アウトレット品で950円(くらいだったと思う)という破格値の上に首振り機能まで付いていたので、迷わず飛びついた。

 当初はエネループ充電器をバラして、回路部分だけ取り出し、AC電源に差し込んでおけば、車を走らせている間に充電できるようにしたいと思っていた。だが、よく考えると単3乾電池1〜4本を充電できるタイプの充電器は、その性質上、間違いなく直列ではなく並列になっているはずで、これでは単3乾電池4本の直列計6ボルトの扇風機を回せない(もしくは回転数が落ちる)だろうと考え、そのプランはあきらめた。さらにタイマー機能もほしいと思ったが、電子パーツのネットショップで、タイマー回路(キットも含めて)を探したが、電圧が合わない上に数時間程度の時間設定ができるものもなく、これもボツ。結局、回せる時間をテストした上で、フル充電させたエネループが切れるまで回す(「強」運転で約4時間)という方法に落ち着く。

 車に固定する方法は、好きな場所に挟める大型のクリップを採用することにしたが、購入した乾電池式扇風機の裏側には電池ボックスのフタがあるので、ここにクリップを取り付けることはできない。そこで電池ボックスを内蔵させる中継のボックスを本体とクリップの間に入れる構造にした。
 次に悩んだのは電池の交換方法。就寝前の車内で電池ボックスのフタを開けて、乾電池4本を外して新しい電池と交換する作業はあまりしたくない。できればもっとスムーズに交換したい。そこで4本の充電ずみエネループを電池ボックスにまとめておき、それをひとつのバッテリーとして簡単に装着できるようにしようと考えた。つまり、電池ボックスを押し込むと、ストッパーがかかって保持し、ストッハーを解除すると、バネの力で出るようにした。これならエネループ4本を電池ボックスに入れたものを2〜3個用意しておけば、電池の交換は至って簡単にすむというわけだ。充電時には、電池ボックスから取り出して、エネループ充電器にセットしなければならないが、毎晩、扇風機を使うわけでもないので、それほど不便ではないと判断した。
 こうして電源部ケースとして使う電気工作用のプラスチックボックスや電池ボックスなどを広島のデオデオ本店地下の電子パーツ売り場(久しぶりに行ったが、昔に比べて売り場面積が縮小していた)で昨年9月に購入しておいた。

 今回、ようやく製作を開始したわけだが、頭の中でプランはできていても、結局「言うは易し、行うは難し」である。任意の構造にプラスチックを成形できるのなら簡単なのだが、プラスチック板などの材料だけで、ゼロからこうした構造を組み立てていくのは、なかなか難しい。試行錯誤を繰り返し、ようやく実用レベルに仕上がったので、以下に紹介しておきたい。

 

完成した車載用の改造扇風機(左)。上部は首振りと2段階の風量調整もできる既製品。中間のボックスが、今回、製作に苦労したバネとストッパーによる脱着方法を採用した電源部。その下に付いているのは、大型クリップ。適当なクリップが単独では売っていないので、やむを得ずにクリップライトを購入して、そこから取り外して利用した。上の写真は、クリップで車に固定したところ(後部スライドドアを開けて撮影) 
電源部の構造。奥にバネ付きの電池接点、入口にストッパーがある。電池ボックスを押し込めば、バネによって適度な抵抗を得ながら、ストッパーによって固定できる。ストッパー解除ボタンを押すと、スッパーが外れて、電池ボックスが奥のバネによって押し出されてくるしくみだ。

※電池ボックスを脱着しているところは、わかりやすいように動画にしておきました。以下のリンクボタンで見れます。

動画:電池ボックス脱着機能(9秒) 
 














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